第三話
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―一時間後―
俺は駅で親父達を見送っていた。二人とも窓際の席で窓を開けていた。
「それじゃあ、気を付けるんだぞ!」
親父はキメ顔でそう言った。
「それはこっちのセリフだバガ親父!」
思わず叫んでしまった。こんな感じのポカはよくあることだが、流石に今回は洒落にならない所だった。
三万円ドブに捨てようとしてたわけだからな。
「元気でいるのよ?」
お袋もなんだかんだで流してるし…………気を張ってるのは俺だけよ。
「はいはい、わかったよ。そっちこそ元気でな。怪我とか病気とかすんなよ?」
「「あぁ、それじゃあ。」」
二人は同時にそう言うと、窓を閉めた。程なくして、動き出す新幹線。
俺はその新幹線が見えなくなるまで、そこで見送っていた。
「…………帰るか。」
俺は駅を後にして、晩飯を買う予定だった駅前の大手牛丼チェーンの店で、牛丼大盛を持ち帰りで頼んだ。
―アパート前―
「あー、ちくしょう。」
ドタバタしたせいで、しんみりするような時間もなく、俺は一人で若干いらいらしていた。
「なんとなく、親父が狙ってやったように感じちまうんだよなぁ…………。」
それこそ深読みか。
俺は頭をふって、これからの一人暮らしを頑張ろうと意気込んで、扉を開けた。
「あ、おかえり。遅かったね。」
神谷 沙紀が、そこにいた。
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