第4章:日常と非日常
第123話「嫌い」
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傍にいたフェイトやはやて達よりも若干離れた場所にいる司。
そんな司に目を覚ました神夜は驚く。
「(“嫌い”って言ったけど…あれは、嘘だったのか…?…ああ、きっとそうだ。こうして心配してくれてるんだ。きっとあれもあいつに脅迫されて…)」
「………ふふ…」
あの時のあの言葉は嘘だったのだろうと、安堵する神夜。
そんな神夜を、司は何かおかしいように笑う。
「…司?」
「ふふ、ホントおかしいよね。…未だにさっきの事が嘘だと思ってるなんて」
「っ………!?」
それが司だとは思えないような、心底馬鹿にしたような笑みで、司は言った。
同時に、神夜は先程言われた言葉を思い出し、息を詰まらせる。
「私はお前が嫌い。それは嘘でも優輝君に脅されてる訳でもない。紛れもない本心だよ。こうして、未だに思い込みで違うと思おうとしてる。それが嫌いなんだよ」
「つか、さ…?」
「おい司!さすがのおめぇでも、これ以上神夜を悪く言うのは…!」
「………」
呆然とする神夜を庇うように、ヴィータが前に出る。
他にもその場にいた魅了に掛かっている女性陣も庇おうとするが…。
「っ……!」
「だったらどうするのかな?“悪く言う”?私は正論と自分の気持ちを言ってるだけだよ?」
「つ、司ちゃん…?」
殺気とも取れるような、その異様な雰囲気に全員が気圧される。
その中ではやてが怯えながらも声を掛ける。
「な、なんや…いつもとなんか違うで…?どうしたんや…?」
「ふふ…文字通り“我慢の限界”が来ただけだよ。今までずっと…ずーーーっと抑えていた気持ちが溢れ出ただけだよ?」
クスクスと笑いながら、司は言う。
そして、気圧される女性陣を無視し、神夜へと近寄り…。
パァン!!
「っ……!?」
思いっきり、その頬を引っ叩いた。
「…今のは、緋雪ちゃんの想いを思い込みで馬鹿にした分」
そういって、さらに手を振りかぶる司。
「これは、恩人である優輝君の記憶を塗り替えられていた、奏ちゃんの分!」
「ぐっ!?」
「…少しは、想いを踏み躙られた人の気持ちを理解しなよ!」
最後に一際強く叩こうとして…誰かに抱き着かれる形で止められる。
ヴィータと同じぐらいの背丈…人間形態を取っているリインだ。
「もう……もう、やめてください…!」
「っ……リイン…?」
「…………」
非常に泣きそうな……否、既に涙を浮かべた顔で、リインは懇願するように言う。
「…悪いけど、邪魔しないで」
「…司さんが怒るという事は、それだけの事をしたんだとリインもわかってるです…。でも、だからと言って人を痛めつけ
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