第4章:日常と非日常
第123話「嫌い」
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「…不思議だね。何とも思わなかった」
以前なら負けた事が信じられないと思っていたなのは。
しかし、今では何とも思えなかったのだ。
「…冷めたわね。あたし達も同じ感じだったけど」
「にゃはは…本当、魅了が原因なんだけど、どうして好きだと思ってたんだろ?」
「心を変えられるって、恐ろしいものだよね…」
改めて魅了の恐ろしさを呟くなのはとすずか。
「…でも、なんだかスッキリしたかな」
「完全に司が論破してたものね」
自分が正しいと思い込んでいた神夜を打ちのめした司。
その痛快な論破は見ていて胸が空くような気分だったらしい。
「これで少しは自覚してくれればいいんだけどね」
「ああいう奴はここまで来たらとことん懲りないわよ」
「…それもそうだね」
元より思い込みが激しかった節があったため、懲りないだろうとアリサは思う。
それにすずかも同意なのか、苦笑いする。
「これなら帝君の方がマシだね」
「あいつはむしろ逆だったわね。自覚…はどうか分からないけど、だいぶ大人しくなったわね。今は慣れたからいいけどそれまでは違うベクトルで気持ち悪かったわ」
「あはは…。今まで散々絡んできたのが、一気に大人しくなったもんね…」
事実、今の帝はここ最近めっきりなのは達に絡まなくなっていた。
しかも今は先日の襲撃の事もあってさらに大人しくなっている。
「…そういえば、帝君って最近絡んでこなかったけど、何かあったの?この前の話し合いの時も凄く大人しかったし…」
「この前のは特別大人しかっただけなんだけどね。まぁ、絡まなくなった原因は…一言で言えば、好きな相手ができたからね」
「ふーん……えっ、好きな人!?」
アリサの言葉に、なのははつい驚いてしまう。
幸い、なのはの声で周りが注目する事はなかった。
「そっ。好きな人。あいつも一人の男子って訳…なんだけど…」
「…なんだけど?」
「…あ、あはは…」
事情を知っているアリサとすずかは苦笑いする。
言えるはずがない。帝が好きになった相手が、性転換していた優輝などと。
「…もしかして、私も知ってる人?」
「知ってる…まぁ、知ってるわね。直接話した事はないだろうけど」
「ふーん…?」
いまいち要領を得ない返答に、なのはは首を傾げた。
結局良く分からず仕舞いだったが、別にそこまで知る必要はないと、なのははそれ以上聞こうとするのをやめた。
「っ……俺、は…」
「あ、目が覚めた」
しばらくして、司の砲撃を喰らって気絶していた神夜が目を覚ます。
「っ!司…!?」
「何かな?」
心配して
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