第4章:日常と非日常
第123話「嫌い」
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ど、疑う時は疑うよ?…まぁ、間違ってた事がほとんどないんだけど」
「っ……!だけど、緋雪は確かに…!」
「…緋雪ちゃんと優輝君の関係はそんなものじゃないよ。むしろそれは侮辱とも取れる。……あの子は、“兄”として優輝君を信頼していただけに過ぎない」
…もしくは、その時覚えてなかったとしても、二人の前々世…“ムート”と“シュネー”の記憶からの信頼関係だったかもね。
“司なら大丈夫”と、ここ数年の間に優輝君から聞いた話だからよくは知らないけど。
「…と言うかさ、そっちの方が盲信的に見えるんだよね。以前までのアリシアちゃん達含め、貴方の周りにいる女の子達は、決めつけがましい事でもあっさりと信じてしまうし、根拠もなく優輝君を悪く言ってるだけなのに、同じ考えを持っている。…どっちの方が盲信的に見えるかなんて、言うまでもないよね?」
「っ、そんな事はない!」
否定したのはいいけど、具体的な理由は言えないようだ。
だって、優輝君と違って“信頼関係”を示せる事柄がないのだから。
かつて敵だったフェイトちゃんや、ヴォルケンリッターの女性陣。
彼は初見で彼女達を無自覚に魅了していた。
そこに“信頼”と呼べる“積み重ね”は存在していない。
「だ、だけど、司は……」
「…シュラインに教えてもらったの。…私は、天巫女には精神干渉の類は一切効かない。……貴方の…お前の言う“洗脳”の類は一切効かないって事。だから、これは私の意思であるのは間違いないし、優輝君に洗脳されてるなんて“戯言”、一つも合っていない!」
「っ……!?」
穢れなき聖女。それが天巫女のもう一つの能力。
…と言うか、体質みたいなものだね。聖女らしく、穢れを受け付けない的な。
ただし、自分から“負”に堕ちる場合は例外みたい。以前の私のようにね。
「そんな、そんなはずは…!」
「…………」
否定の材料がないのか、それ以上は言えないらしい。
…もう、終わりにしようか。
「もう言い返せないみたいだね。決めつけや思い込みばかりだったからこうなるんだよ」
「っ……」
「私はね、お前のそういう所がずっと前から…“大嫌い”だったんだよ!」
これは、ずっと前から…こいつがどういう人間か知ってから抱いていた想い。
優輝君とは全然違い、その優輝君を悪く言ってばかりだった。
前世の事で考えていなかったけど、私はずっとこいつに対して怒っていたんだ。
「ぇ……?」
「二年前、私の問題が解決するまでは、ずっと抑えてたんだけどね」
…余程“嫌い”と言われたのがショックだったのだろう。
呆然としているのを、私は無視して術式を起動させる。
「
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