67部分:第六話 馬超、曹操の命を狙わんとするのことその十
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これで二人の話は終わった。馬超は曹操の前を後にした。そのうえで関羽達の前に行きそのうえで彼女達にも別れの挨拶をするのだった。
「じゃあまたな」
「別れるのか?」
「ああ。一旦涼州に戻る」
まずはそうすると張飛に話す。
「母ちゃんのことを皆に話さないといけないからな」
「だからなのだ」
「そうさ。それからまた武者修行を再会するさ」
「また旅をするのか」
「涼州も袁紹の領土になっちまったしな」
ここでもこのことが影響していた。
「一族の人間も結構仕えるみたいだけれどあたしはちょっとな」
「あの方は癖が強過ぎるからな」
「あの鰻を胸で掴むのは無理だ」
それはどうしてもだと。趙雲に返す。
「絶対にな」
「それはそれで艶かしいと思うが」
だが趙雲は悪戯っぽく笑ってこう述べた。
「ふむ。貴殿はまことに生娘だな」
「じゃああんたはそういう経験があるのか?」
「それはな」
一瞬だけ頬が赤くなる趙雲だった。だがそれはほんの一瞬で誰も気付かなかった。それを隠してそのうえで話したのであった。
「とにかくだ。袁紹殿には仕えぬか」
「暫くは武者修行さ。それじゃあな」
「うむ。ではまたな」
「ああ、また会おうな」
こうして一行と別れる馬超だった。彼女は城の門を出てそのまま姿を消したのだった。こうして一行はまた四人に戻った。
「また機会があれば会えるのだ」
「そうですね」
ナコルルは張飛の言葉に頷いた。
「馬超さんとは絶対に会えますよ」
「そうなのだ?」
「はい、見えます」
こう言うのだった。
「暫くしてから」
「そうなのだ」
「そしてずっと一緒にいることになると思います」
ナコルルは話す。
「ですから安心して下さい」
「わかったのだ」
「それに張飛、いえ鈴々さん」
ここで張飛の真名を呼んで問うた。
「お顔が最初からかなり明るいですけれど」
「人は別れの時の顔を覚えているものなのだ」
ナコルルにもこのことを言うのだった。
「だからなのだ」
「そうなのですか。だからなのですか」
「その通りなのだ。ではまた行くのだ」
「はい、それでは」
こうして一行は再び旅をはじめることになった。今度は擁州に向かった。匈奴の勢力圏だった場所から黄河を超え山に入りだ。そのうえで擁州に入ったのである。
第六話 完
2010・4・15
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