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魔界転生(幕末編)
エピローグ 因果は巡る
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ん?」
 サナは茜を覗き込んだ。が、茜は顔を赤くしたまま下をみていた。
「そういえばさ。うちらのクラスに転校生が来るらしいよ」
 サナは茜に抱き着いたまま十兵衛に言った。
「ほう。初耳だな」
 十兵衛は、興味なさそうに答えた。
「どんな人だろうね?イケメンだったらいいなぁー」
 さなは、茜から離れ、ウキウキしたかのようにくるりと回った。
「お前、坂元はどうするんだ?」
 サナには、坂元竜馬という彼がいたのだった。
「ば、ばか。それとこれとは別よ」
 サナは、顔を赤らめ両手を払うかのように振った。
「素敵ですよね。坂元さん」
 茜は、にっこり微笑んだ。
「はいはい。じゃあ、茜ちゃんにあげるわ」
 サナの方が上手で茜の表情をうかがった。
「えっ。そ、そんな・・・・」
 茜は頬を染めて下を向いた。
「冗談よ。あっ、こんなことしてる場合じゃないわ。十兵衛、茜ちゃん、急ごう」
 サナは、そういうと走り出した。
「全く、誰のせいだと思ってるんだ」
 十兵衛はため息をついてサナの後姿を見た。
「兄様。私たちもいそぎましょう」
 茜と十兵衛はサナを追って走り出した。

 1時間目の前のフォームルームのチャイムが学校全体に響き割った。と同時に担任の女教師である春日が教室に入ってきた。
 学級委員の号令と共に生徒たちが、朝の挨拶をする。
「今日からこの教室に転校してきた生徒を紹介します。天地君、入ってきなさい」
 春日の呼びかけに一人の男が入ってきた。
 体形はすらっとしていて、肌の色は白く、髪は肩口くらいあるだろうか。
 その男が入ってくるなり、男も女も目を見張り、その美しさにため息をついた。
「天地時貞です。よろしくお願いします」
 と生徒たちに一礼した。
 この教室には十兵衛もサナもいたが、目惚れているサナとは反面、十兵衛は外を見つめていた。が、四朗のすがすがしい声が聞こえた時、黒板をみた。
 四朗が十兵衛を見つめていた。
 その時、十兵衛は感じた。
 この天地とは、何か因縁めいたものがあると。
 何故なら、十兵衛を見つめた目が、十兵衛には金色に輝いていたようにみえたからだった。

魔界転生(幕末編) 完

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