第三十三話
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ず息を飲んだ。いや、よく考えればわかったことだけどさ。
そうかそうか、世間って目茶苦茶狭いんだな。何も思ってなかった所から、ビックリするような話が出てくるんだな。
「……………………えぇ、一応、両親の仕事位は。こいつらは多分知りませんけど。つーか俺も着任したときに始めて知りましたし。」
俺は正直にそう言った。
天龍と時雨はなにやら慌ててるし、夕立はポカーンとしてるし、春雨はなんのことか分かってないらしい。木曾は相変わらずのクールスマイルだ。
「…………あのときの赤ちゃんと、まさかこんな形で再会するとはね…………悲しいものよ…………。」
鳳翔さんのその一言で、俺は理解した。あぁ、俺は赤ん坊の時にこの人と会ってる。つーか、親父とお袋が見せたんだろうな。
「それじゃあ、自己紹介した方がいいですかね?」
俺はひとつ息を吸って、言った。
「俺の名前は七宮 千尋。親父は元提督。お袋は元艦娘だ。」
『………………………。』
全員が、黙った。つーか、すげぇ驚いてた。
いや、驚いたなんて生易しいもんじゃない。驚愕していた。ま、当たり前か。
だって、あの七宮 亮太の息子だって言われたんだ。鎮守府の関係者なら誰でも驚く―――。
「いやいや、そこまで驚くこたぁねぇだろ?」
――一人を除いて。
「艦娘の適正ってのは、遺伝も関係してるらしいからな。論文見たけど、その遺伝ってのは女の方が強く引くらしいけどな。親父が提督、お袋が艦娘だったとかじゃねぇと男で艦娘の適正持った奴は出てこねぇはずだ。」
相変わらず先読みと言うか、推理が目茶苦茶早い木曾。どうやらこの様子だと、着任したときから確信してたらしい。
「はは、ははははは……………………アホか!んなもんに頭回せるか!」
そう叫んだのは天龍だ。いや、普通はそうだ。そんな無駄なことを考えるような奴がいる方がおかしい。
ただでさえまだまだ謎が多い『艦娘』だ。一々気にしてられない。
「流石に今回は木曾が変態だと思うな…………今に始まったことじゃないけどさ。」
明らかにドン引きしているのは時雨。木曾から一、二歩距離を取っていた。
「っぽい?」
相変わらずの夕立。お前はずっとそこで拓海の妄想でもしとけ。
「えっと……………………どういうことですか?」
何も分かってない春雨。さっきからずっと首を傾げていた。
「もう…………やっぱり、その血の運命かしら…………。」
目元を押さえているのは鳳翔さん。い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ