理論と発想
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になることがない。
(打率なら海未は上位を打てるし、四番だと固くならないでもらえるとありがたいんだが・・・)
一試合目と違い打順の重圧に負けてスイングが大きくなっている彼女を見て、タイムを取る。
「ことり」
幼馴染みである少女に伝言を伝え向かわせる。それを聞いた海未は何度もうなずきながらお互いに笑顔を見せて打席へと向かった。
ゲームが再開し、投手がモーションに入る。初球の低めギリギリのストライクを見送る。続く二、三球目はボール。これで2B1S。そして四球目。
(ボールを引き付けて、逆らわずに)
弓道で鍛えた高い集中力をフルに使い、向かってくるボールをよく観察し、左方向へと流し打ち。打球は地を這うように鋭い当たりでレフト前へと抜けていった。
「追加点!!」
「海未ちゃんすごい!!」
「これで二点差!!」
手を叩きながらホームインした穂乃果とベンチにいることりが大盛り上がり。続く絵里はセンターフライに倒れたが、残り二回で二点差。十分に逆転の目が出てきた。
「ストライク!!バッターアウト!!チェンジ!!」
そして八回も花陽の好投は止まらない。ストレート主体で三人をあっさりと切って落とし、次の攻撃へと繋いだ。
(すごい・・・花陽ちゃんにどう投げさせれば抑えられるのか、まるで予知してるみたい・・・)
ベンチに戻ってきて次の打者である希に声をかけている剛の姿を見つめている穂乃果。その視線に気付いた剛に声をかけられたが、何か用事があったわけではないのでそそくさとその場から離れる。
(これが甲子園史上最高と呼ばれていた人・・・なのに、私たちは彼のことをよくわかってない)
出会ってまだ一ヶ月ほどしか経ってないこと、彼がそもそも野球をやっていたことも知らなかった少女たち。彼は自分たちの特徴を必死に分析し、適切な役割を与えてくれているのに、私たちは彼のことを何も知らない。
「知りたいな・・・」
「ん?何か言った?」
「ううん!!何でもない!!さー!!声出していこう!!」
彼女の中でかつての剛についての興味が沸いてきたが、今は試合を勝つことが重要。残り二回で二点ビハインド。それをひっくり返すために、彼女は一番前に立ち声を出していた。
「ゲーム!!」
「「「「「ありがとうございました!!」」」」」
結局その後、一点は取り返したものの、九回に四球とエラーで再び二点差にされ、ランナーを出しながらも得点を奪えず5対7で敗戦した。しかし、相手は全国の上位に食い込む強豪。そこにこれだけのゲームをできたことは、彼女たちに取っても自信になった。
「でも悔しい!!あとちょっとだったのに〜!!」
ベンチを片付けていると、防具
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