第七幕:翠碧色の虹
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・この写真と目の色が・・・違ってませんでしたか?」
時崎「!!!!!!!」
衝撃が走った・・・七夏ちゃん自身から、その言葉が出て来た事。この写真を撮影した時は、そんな事を意識してなかったので、今となっては分からないが、今までの条件で言えば、七夏ちゃんはカメラ目線ではないので、翠碧色以外の色の瞳になっていた可能性が高い。俺は、この写真を撮影した時の事を素直に言葉にする。
時崎「正直なところ、分からない」
七夏「え?」
時崎「この写真を撮った時は、自然な七夏ちゃんの姿しか考えてなかったから・・・」
七夏「自然な・・・ありがと・・・です」
そう言うと、七夏ちゃんは、とても優しい表情で此方を見つめてくる。
七夏「私、自分の目の色が変わるらしいのですけど、それが分からなくて・・・」
・・・「分からなくて」・・・一瞬、目の色が変わる理由が・・・とも思ったが「目の色が変わるらしい」という言葉から、七夏ちゃん自身は七色の瞳には、感覚されていないという事のようだ。
時崎「分からない?」
七夏「はい・・・」
時崎「ひとつ、訊いてもいいかな? あ、無理して答えなくてもいいよ」
七夏「はい」
時崎「七夏ちゃんは、自分の瞳の色は何色に見えるの?」
七夏「えっと・・・柚樹さんの撮ってくれた、この写真の色と同じです」
時崎「・・・翠碧色か・・・」
七夏「すいへきいろ???」
時崎「あ、緑青のような色の事」
七夏「私・・・目の色が虹色に見えるって言われても、分からないのです・・・」
時崎「虹色・・・」
俺は、七夏ちゃんの「ふたつの虹」に魅せられた事を思い出す。そこから不思議な虹を追いかけ始めた事も・・・。虹色という言葉は、特定の色を指す言葉ではないが、不思議な虹の持ち主は、その事が分からない・・・こんな事って・・・・・。
七夏「私には、虹色・・・本当の虹の色も、分からないみたいで・・・」
時崎「え?」
今、七夏ちゃんが話した事は、自分の瞳の色の事だけでなく虹色そのもの、つまりは、本当の虹の事も含まれている!? そうか! 七夏ちゃんが、虹に対してあまり良い素振りを見せなかった理由が、ここにあったのかっ!!! だとしたら、七夏ちゃんと初めて出逢ったあの時、俺は、とんでもなく失礼な事を、七夏ちゃんにしていた事になる・・・。
時崎「七夏ちゃん! ごめん!!!」
考えるよりも、先に言葉が出ていた。
七夏「え?」
時崎「七夏ちゃんと初めて逢った時、いきなり虹の話とか写真とか見せたりして・・・」
七夏「あ、だって、柚樹さん知らなかった事ですから・・・」
時崎「ホントごめん!!!」
七夏「それに、あの時、柚樹さんが気を遣ってくれている事は、伝わってきましたから」
時崎「・・・ありがとう・・・七夏
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