彼願白書完結記念作品
秘密作戦、発令ス
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い存在である。
第2・第3世代型は、その第1世代型のDNAを採取し、船霊と適合しやすい素体をクローンで作り出し、そこに艦娘に必要な改造を施す。そこに船霊を定着させて初めて、艦娘として誕生するのである。マスターシップというのは映像や音楽のマスターテープよろしく、その素体の元となる船霊と身体を持った艦娘であり、数が少なく稀少な存在である。
「おい、ちょっと待て。んじゃ何か?アメリカ政府は日本に譲渡する予定のマスターシップがトラックにいる事を知りながら、核攻撃で吹っ飛ばそうとした。そういう事か?」
『……恐らくはね』
金城提督の眉間に皺が寄り、険しい表情になる。それと同時に彼のスマートフォンを持つ手にも力が入りミシミシと悲鳴を上げる。アメリカの思惑は恐らくだが、トラックでのトラブルに託つけて日本に譲渡する予定のマスターシップを消し去り、日本の戦力増強を防ぎたい……そんな所だろう。通常の状況下でそんな事をすれば日米安保は脆くも崩れ去り、日米の立場が逆転しつつある保障上の協力は打ち切られるだろう。しかし今は特殊な状況だ。秘密裏に処理できれば『非常時における不幸な事故』として処理されて闇に葬られるだろう。
「気に食わねぇなぁ。全くもって気に食わねぇ」
『キミならそう言うと思ったよ、レイジ。だからキミと、君の艦隊にお願いしたいんだ。彼女……“サラトガ”の救出をね』
「別に構わねぇが……そいつはちと高くつくぜ?」
『おいおい、金取るのかい?』
「当たり前だ、こちとら慈善事業じゃねぇんだぞ?命張るんだ……それなりの報酬用意してもらわにゃなぁ?」
『報酬……金じゃなくてもいいのかい?』
「おうよ。例えば……そうだな、助けたサラトガ本人がウチへの配属を希望したらタダでウチに提供するとかな?」
金城提督はその強面の顔を、凶悪に歪めてニヤリと嗤った。
『虎の子のサラトガを差し出せ、というのかい?いや流石にそれは……』
「おっと、その虎の子を闇に葬ろうとしたのは米国だろ?だったら俺が“保護”して運用しても、何ら問題はねぇよなぁ?」
自分で口にしておきながら、とんでもない暴論の屁理屈だ。しかし、筋は通っている。昔から敵艦船の拿捕・再利用は行われてきた事だ。日本に渡したくないから、等という酷く子供じみた理由から化け物と一緒に核で焼却しようというのだから、棄てたも同然と捉えても何ら差し支えはない。それに、あの壬生森の狐野郎から話を聞いた時点で、無理矢理にでも介入はする気満々だったのだ。その為の言い訳というか……正統性を持たせるアイディアは既に脳内に浮かんでいる。必要な根回しの手順もOK、後は協力者が頷くか否かだが……恐らくは大丈夫。
『ハァ……止めても無駄そうだし、私は聞かなかっ
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