お菓子な双子の物語~グレーテルside(3)
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私は双子の兄 ヘンゼル兄さまが大好きです。心の底から愛しています。
兄さまは覚えているでしょうか私達の魔女に植え付けられた恐怖。
「もちろん覚えているよ、グレーテル」
良かった覚えて下さった。
悪い魔女に捕まって食べられそうになったお話。忌々しい過去/生前の記憶。
「ああ。本当に食べられてしまうのでないかと怖かった。
でもあのお菓子の家は美味しかったね、グレーテル」
そうですね兄さま。あのお菓子の家はとても美味しかった。
…ですが私はあの家をまた食べるくらいなら
兄さまが"食べたい”
―愛しい 愛しい 兄さま
兄さまの 笑顔が好き
兄さまの 優しい声が好き
兄さまの 暖かい手が好き
愛しい ヘンゼル兄さま―
『聞いてなの! お菓子ってなんなの!!』
なのに突然兄さまが私の前から姿を消した。何処へ行かれたの? ヘンゼル兄さま―?
塔の中をくまなく探す でも見つからない
長い階段を下りて行く でも見つからない
『オニクだ〜オニク〜♪』
『お空から落ちて来たオニク♪』
『美味しそうなオニク〜♪』
一番下まで辿り着くと森の獣達が何かに群がっています。
「嗚呼…気持ちが悪い」
バリバリッと骨が砕く音
ジュブジュッと血をすすり肉を食べる音
この獣達を追い払いましょうか
「嗚呼…きっと無理です」
私一人では、獣達を追い払うことは出来ません。何かをする時は必ず隣に兄さまが居ました。
獣達がむさぼる肉からは甘くてとてもいい匂いがします。食欲の誘ういい匂い。
「こんな所にいたのですね、兄さま。探しましたよ」
肉をむさぼり食う獣達の中心にヘンゼル兄さまはいらっしゃいました。
どうしてそんな所でに居るのだろうと思いながらも、私は兄さまを"引きちぎり”ました。
「嗚呼― 愛しい 愛しい ヘンゼル兄さま」
私は兄さまに頬ずりします。
『こ、こいつやべーぞ!?』
『に、逃げ
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