蒼雷の恋慕 05
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別に言っておくが小鴉のように冷たく輝く笑みを見たから言っておるのではないぞ。なのはは意味もなく人に怒りを向ける人間ではないし、我もあやつの気に障ることをしようとは思っておらんからな。
しかし……あやつは妙に小鴉やシュテルの標的にされる。学生時代も振り返ればアリサなども時折あやつのことを弄っておったよな。
そういう星の元に生まれてしまっておるのかもしれんが、よくもまああやつらはなのはのことを頻繁に弄れるものだ。普段温和な人間ほどキレると怖いというし、あやつはトラウマを植え付けるような砲撃を撃てる魔導師なのだぞ。怒らせていい人種ではないはずだ。
「大丈夫大丈夫、割となにょはには怒られてるから。まあはやてんはボク以上に怒られてるみたいだけど。その手の話をしたとき顔が青ざめてたし」
レヴィは笑って話しておるが……あの小鴉が思い出すだけで青ざめるというのは相当なものだと思うのは我だけだろうか。
我がどんなに怒鳴ってもあやつは平然な顔をしておるし……我が舐められておるだけかもしれぬが。今後のために今度きちんと話し合うべきかもしれんし。
「そんなになにょはって怖いかな? ボクからすればショウや王さまに怒られる方がよっぽど怖いけど」
「ほぅ……」
「あっ……い、いや別に普段怖いとか思ってないよ!? おお王さまは色々と気を遣ってくれるし、怒る時もちゃんとボクのために怒ってくれてるのは分かるから。だからその、あの、ご……ごめんなさい!」
ただ慌てているだけなのか、それとも我の事を心の底から怖がっておるからなのか……後者だと我の心が痛い。
い、言っておくが痛むといっても少しだぞ。ほんの少しだからな。別にこれ以上好かれたいとは思っておらぬし……嫌われたくもないが。
「もうよい……別に怒っておらん。それよりもさっさと帰るぞ。出来れば今日の内に仕込みを済ませておきたいのでな」
「仕込み? お店の?」
「いや店とは別件だ。明日は店は休みだからな」
「じゃあ何の?」
「それは……」
レーネ殿がちゃんと栄養のある食事をしておるか心配であるし、最近は店を持ったこともあって前のように弁当を差し入れしてやることも出来ておらん。それに店の方に来てもらうばかりの何か悪いのでたまにはこちらから顔を見せに行くか。
そう思っておるだけだからな。べ、別に特定の誰かに会うためだとかそのための口実だとかそういうのではないぞ。断じて違うからな。我は純粋な気持ちで弁当を差し入れするつもりであって……。
「あっ、ショウへの差し入れか」
「べべべ別にあやつだけにするつもりなどない!」
「え……でも明日ボクとシュテるんは休みだよ? ユーリはどこかに出張で研究所の方にはいないし。居るのはショウくらいだよ?」
「レ、レーネ殿も居るだろ
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