蒼雷の恋慕 05
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別に褒めるような意味で言ったのではないのだが……。
まあわざわざ否定する必要もないであろう。このままにしても困る人間は誰も居らぬし、こういうポジティブなところこそこやつの良いところでもあるのだから。
「それよりも王さま」
「待て、その話は後だ。立ち話でするようなものでもなかろう」
「それはそうだけど……ちゃんと話を聞かせてくれるまで寝かせないからね」
もし小鴉やシュテルがこの場に居ったなら夜を楽しめといった馬鹿げた発言をしそうだ。この場にあやつらは居らんのだから仮定の話をしても意味はないのだが……本当にこのへんには居らぬよな。
「王さま、どうかした?」
「いや……泊まりに来るのはレヴィだけか心配になってな」
「そうだと思うよ。今日はショウとシュテるんと一緒に仕事してたけど、ふたりはまだ残るって言ってたし。多分シュテるんはショウの家に泊まるんじゃないかな」
レヴィとしては友達が友達の家に泊まるくらいの感覚で言っておるのだろうが、普通は笑顔で言えることではないからな!
我らはすでに成人しておるのだぞ。確かに仕事柄遅くなって知り合いの家に泊まることはあるだろうが……シュテルを始め技術者組は少しショウの家に泊まり過ぎだと我は思う。いくらファラやセイといった監視の目があるとはいえ、あのふたりもショウとは別行動することも多くなっておるし。何か間違いがあったらどうするのだ。
ま、まあ……あやつがそのような間違いを起こすとは思わんが。それならば我がホームステイしておった頃に何かしらあったであろうし。
しかし……しかしだぞ。あの頃よりもショウの身近に居る異性は心身共に魅力的になっておる。小鴉やなのは達に誘われて出かけるといった話は耳にする以上、ショウとて人並みに異性への関心はあるはず。酒を飲む機会もあるかもしれぬし、間違いが起こる可能性はゼロではないわけで……
「王さま〜、王さまってば。ボクの声聞こえてる? さっきから何かなにょはみたいな顔になってるよ」
「誰もあやつほど百面相なぞしておらんわ!」
「まあ確かに王さまは基本的に眉間にしわが寄ってる感じだしね。表情の幅で言えばなにょはやへいとには敵わないよ」
確かに険しい顔をしておったのだろうが……レヴィよ、さりげなく人を苛立たせるような発言をするものではないぞ。今回は流してやるが我とて人間。いつも流してやれるわけではないのだからな。あやつらの表情がコロコロ変わることに関しては一切否定はせぬが。
「レヴィ、今後のために言っておくがフェイトはともかくなのはにはあまりその手の話はしない方が良いぞ」
「何で?」
「あやつは元々溜め込みやすい性格をしておるし、我らと違って子育てもしておるからな。何気ないことでついカチンと来てしまうこともあるやもしれん」
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