第一章 ハジマリ
第27話 思惑
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………」
次の瞬間、三人が目を開くと見慣れた風景が映った。
「…………どうやら、帰ってきたみたいだね……」
周囲を見渡し、フェイがそう言葉を零す。
あの異様な影の世界もスキアもいない。
ただただ見慣れた、稲妻町の風景がそこにはあった。
「……」
「……アステリ、大丈夫?」
暗く、曇ったような表情で立ち尽くすアステリにフェイは声をかける。
自分の名を呼ぶ声に気付き、振り返ったアステリは心配そうに自分を見詰めるフェイとワンダバを見ると、「うん……」と不安そうに目を伏せた。
「さっきの言葉が気になっているのか……?」
ワンダバの問いに、小さく頷く。
「"近々会う機会がある"…………一体、どう言う事なんだろうね……」
「分からない……けど。……多分、近々また何か仕掛けてくるんだと思う」
「全く……しつこい奴だな!」
腕を組み、呆れた様にワンダバは唱える。
そんな彼とは裏腹に、アステリは沈みこんだ表情のまま、強く右手を握り絞めた。
「…………アステリ」
「大丈夫…………行こう。天馬が待ってる……」
「うん……」
そう言葉を返したアステリの瞳は、それでも揺れていた。
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