ペルソナ3
1799話
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タルタロスの2階を進んでいる中で、再度姿を現すシャドウ。
それは、目の周りだけを隠すような、赤いマスクを身につけたスライムもどき。
臆病のマーヤとそっくりのそれを遠目に見ると、俺は隣にいる荒垣に視線を向ける。
「で、あのスライムもどきは何て名前なんだ?」
「残酷のマーヤだな」
「……残酷の、ね」
そうなると、マーヤというのが恐らくあのスライムもどきの姿を表しており、臆病や残酷といった形容詞がマスクの方を表している……って認識でいいのか?
ともあれ、アギを使ってくるあの敵に向かってゆかりは再び歩いて近づいていく。
最初の時のように、ペルソナを召喚するのに緊張している様子はない。
召喚器を持っている手も、震えてないしな。
まだ2回目なのだが、それでもやっぱり敵が雑魚だというのは、ペルソナを召喚するゆかりにとって、緊張しないで済んでいるんだろう。
……臆病のマーヤもそうだが、残酷のマーヤも魔法を使ってくるから、必ずしも安全って訳じゃないんだけどな。
そんな俺の懸念は、次の瞬間現実のものとなる。
臆病のマーヤの時と同じように距離をとってイオを召喚しようとしていたゆかりだったが、向こうはまるでそれを見抜いたかのように地面を滑りながらゆかりとの間合いを詰めたのだ。
「アギ」
放たれた魔法。
そこまで強力という訳ではないが、それでも間違いなく放たれた火の玉は、真っ直ぐゆかりにぶつかる。
「きゃあっ!」
幸い……と言うべきか、外に出ている皮膚の部分に当たった訳ではなく、身体に命中していた。
それでいながら、服が燃えるといった事はなかったのは、単純に運が良かったのか、それともアギという魔法自体にそこまでの威力がなかったからなのか。
ともあれ、そのアギによってゆかりがダメージを受けたのは間違いなく、その口から悲鳴が上がる。
助けるか?
一瞬そう思ったが、それでは過保護だろうとすぐに考えを改める。
「へぇ。てっきり助けに行くのかと思ったけどな」
そんな俺の様子を見て、荒垣は微妙に感心したように呟く。
実際、一瞬であっても助けに行こうと考えたのだから、その言葉を否定する事は出来ないだろう。
「万が一死ぬ可能性があったらともかく、あのくらいは自力で何とかして貰わないとな」
助けに行こうとした事は取りあえず棚に上げ、それだけを告げる。
そんな俺の視線の先では、攻撃された衝撃を顔に表したまま、それでもゆかりは召喚器を自分の頭部に向けてトリガーを引く。
「ペルソナ!」
そうして呼び出されたイオは、次の瞬間牛の頭蓋骨が真っ直ぐ残酷のマーヤに向かって突っ込んでいく。
臆病のマーヤの時は、ただ上からその重量で落ちるだけだった。
だが、今
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