お菓子な双子の物語~ヘンゼルside(2)
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「ここは…?」
目覚めた場所は暗闇だった。僕達が捨てられたあの森よりも真っ暗な闇。
「どこだろう…グレーテルは?」
「…兄さま?」
「グレーテル! どこにいるんだっグレーテル!?」
「私はここです。兄さま!」
声は聞こえるけど暗闇のせいで姿が見えない。がむしゃらに手を振り回していると
「あっ!」
「兄さまの手…?」
「グレーテルの手…?」
僕達はお互いの存在を確かめる為、抱き合った。この体に伝わってくるぬくもりは確かにグレーテルだ。
「暖かいです…兄さま」
「良かった。グレーテルが無事で……二人一緒なら怖くないよ」
「ええ」
そうだ。一人なら怖かったあの森も魔女も、グレーテルがいたから、二人一緒だったから乗り越えられた。
僕達は双子。生まれた時からずっと一緒。だからこれからだって
「ずっと一緒に居ましょうね……兄さま」
「ずっと一緒に居ようね……グレーテル」
その後…僕達は暗闇の中を彷徨い歩いた。どこまでもずっと…歩き彷徨った。
誰か。人間はいないか…と探しながら、彷徨い歩き続けた結果
『貴方達が新たな来訪者』
黒真珠のような黒い髪と瞳をした少女に出会った。彼女の体には大小いくつもの時計とそれを繋ぎ縛る鎖が体を緊縛するように縛られていました。
彼女の背には長いとても長い刀がありました。あの刀を見ると魔女の家で僕達を斬り殺したあの少女のことを思い出してしまう。
僕達は少女に 囚われた 捕まった 契約された
僕達は少女の 下僕 奴隷 使徒
―となった
ここは死者の国"ゲヘナ” 罪人の魂が堕ちる国"ゲヘナ”
魔女を殺した僕達は罪人なのでしょうか―?
あれから数ヶ月がたった―
僕達は少女が治める要塞都市で平和に暮らしていたかった
ご飯は一日一食、睡眠時間は三時間、何をしてもしなくても殴られ拷問の日々
それでもグレーテルに被害を加えないのなら、それで良い。傷つけられるのが僕だけならそれで良い。
それで良かったのに―
『この子達が貴女の新しい使徒よ』
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