お菓子な双子の物語~ヘンゼルside(2)
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『この子達が新しいオモチャなの? ありがとうなの、???お姉チャン♪』
使える主が変わりました。長い金髪の髪をした少女に変わりました。
無邪気に笑う彼女の表情を見ていると、嫌悪感から吐きそうになる。気持ち悪い…彼女は危険だと本能が訴えかける。
「「………」」
その時僕達に出来たのは無言で頷く事だけ。僕達に発言権など与えられていないから―
『ええー!!』
金髪の少女に連れて来られたのは森だった。木々が青々と生い茂し太陽を隠してしまう暗ーい森。あの森に戻って来たような気持ちになる。
「怖いわ、ヘンゼル兄さま。この森魔女が出そう」
そう感じたのはグレーテルも同じだったみたいだ。
「大丈夫だよ、グレーテル。僕が君を守ってあげるから」
グレーテルの手を強く握りしめる。グレーテルも強く握り返してくれる。
そう大丈夫。一人では怖い森も二人一緒なら怖くなんかない―
森に連れて来られてから数年がたった 森の中は来た当初とは別物になっていった
『ポッポッポー』
歌う 雲 木々 花々 動物達
『あー、毎日暇だなー』
『暇って事は平和だってことだろう? ならいいじゃないか』
『だけどもなー』
自分の意思を持ちお喋りをする甲冑達
暗くて怖い森はいつの間にか、陽気で明るい森になっていた。でも何故か恐怖心はまだ消えない、むしろ来た当初よりも強まったかもしれない。
『ルンル〜ンなの〜♪』
あの金髪の少女への疑いの気持ちが―
「覚えていますか、ヘンゼル兄さま」
「もちろん覚えているよ、グレーテル」
「そうよね、私達の大事な大事な思い出ですものね。
魔女に食べられそうになったのは怖かったです 兄さま」
「ああ。本当に食べられてしまうのでないかと怖かった。
でもあのお菓子の家は美味しかったね、グレーテル」
「えぇ…本当に美味しかった。出来る事ならまた兄さまと食べたいです」
…でもね、グレーテル。僕はあの美味しかったお菓子の家よりも
―君が"食べたい”よ
愛しい君はきっとあんな魔女が作った家よりも絶対に美味しいはずだ、そうに決まっている
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