663部分:第五十二話 パヤパヤ、噛まれるのことその二
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第五十二話 パヤパヤ、噛まれるのことその二
「そんな失礼なことを言う奴は頭を冷やすにゃ」
「トラこの前」
青髪の少女が言う。
「手を噛まれました」
「にゃ!?」
「ミケは頬っぺたを」
今度は茶髪の少女だった。
「大王様が寝ている時に」
「寝ている時にゃ!?」
「シャムはお尻を」
ピンクの髪の少女もだった。
「やっぱり寝ている時に」
「それはまことかにゃ!?」
「はい、いつも寝惚けていて」
「その時にいつも」
「がぶりと」
「じゃあパヤパヤは」
ここで孟獲もわかったのだった。わかればだ。
顔が真っ赤になる。自分の非に気付いてだ。
「大変にゃ!美以の間違いだったにゃ!」
「間違えたらどうしますか?」
「その時は」
「パヤパヤは」
「すぐに探し出すにゃ!」
即決だった。決断力は早い。
「そして謝るにゃ!」
「じゃあトラも御供します」
「ミケも」
「シャムも」
三人もだというのだった。
「それじゃあ大王様」
「パヤパヤを探しに」
「今から」
「行くにゃ!」
こうしてだった。三人で飛び出ていくのであった。
その頃劉備達は。川で身体を清めていた。全員一糸纏わぬ姿になってだ。それぞれ身体を洗い清めているのだった。
その中でだ。魏延が劉備の身体を見て恍惚となっていた。
「桃香様、本当に何時見ても」
「だからあんた桃香さんばかりじゃない」
「だ、だから私はだ」
ここでも馬岱に反論する。無論二人も今は何も着ていない。
「桃香様のことを想ってだ」
「どう想ってるのよ」
「家臣として。忠義をだ」
「本当に忠義だけ?」
「そうだ、それの何処が悪い」
「忠義だけならね」
馬岱のその目は横に細くなってじとっとしたものになっている。
「けれどそれだけじゃないじゃない」
「何を、私はただ桃香様を」
「だからそれだけじゃないでしょ」
「では他に何があるのだ」
「自分の胸に聞いてみなさい」
「くっ、またそう言うのか」
本当にいつもの二人だった。そして孔明と鳳統は。
黄忠と厳顔の胸を見てだ。溜息をつくばかりであった。
「本当に不公平です」
「人間の世界って」
「あら、どうしたの?」
「何かあったのか?」
二人はその見事な胸を無意識のうちに誇示しながら二人の少女に問う。
「二人共汗は奇麗に洗い落としてるかしら」
「身体も清潔にせねばならんぞ」
「それはわかってます」
「しっかりと」
それを忘れる二人ではなかった。身体は洗い続けている。
「けれど。紫苑さんと桔梗さんって」
「胸が」
「胸?」
「胸がどうしたのじゃ?」
二人は無自覚なまま問い返す。
「特に何もないわね」
「うむ、別にな」
黄忠と厳顔はお互いの胸を見合
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