第六幕その六
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「いつも育てているからね」
「だからですね」
「蜂蜜がいつも採れるんですね」
「それも沢山」
「だからですか」
「私達も好きなだけ食べていいんですか」
「そうだよ、むしろ遠慮されるとね」
オズの国の人らしいお言葉でした。
「僕は困るよ」
「オズの国では遠慮はしない」
ジュリアも食べてにこにことしつつ言います。
「そうでしょ」
「はい、だからですね」
「好きなだけ食べて」
「そして満足することですね」
「蜂蜜も蜂蜜を使ったお菓子も食べて」
「そうして」
「そうよ、楽しんでね」
「いや、トンホイさんの蜂蜜を久し振りに味わっているけれど」
勿論モジャボロも楽しんでいます、その見事なお髭に蜂蜜が付かない様にしつつ。
「いいね」
「そうさせてもらいます」
「是非」
五人は笑顔で応えてでした、そうしてです。
皆で蜂蜜とそれを使ったお菓子をお腹一杯食べました、そしてです。
食べ終わった後で、です。トンホイさんに言われました。
「それで家族はね」
「はい、トンホイさんが蜂蜜を作っておられて」
「それで、ですよね」
「奥さんやお子さん達は田畑におられて」
「そこで、ですよね」
「そうなんだ、そちらで働いているんだ」
田畑の方でというのです。
「僕は養蜂の方に専念していてね」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「皆で楽しく働いてるんですね」
「手分けをして」
「そうなんだ、いやこれがね」
にこにことして言うトンホイさんでした。
「実にいい家族で」
「奥さんもお子さん達も」
「実際にですね」
「それでトンホイさんは幸せなんですね」
「養蜂だけでなくそちらでも」
「何といっても家庭がいいとね」
心から言うトンホイさんでした。
「最高の幸せだよ」
「うん、僕は家族はいないけれどね」
木樵が応えました。
「皆で仲良くいられるとね」
「そうですね」
「こんなに幸せなことはないよ」
「家族は実は血縁でなくてもなれるからね」
かかしは絆のお話をしました。
「僕達もそうした意味で家族だしね」
「そうしてですね」
「家族皆で楽しく過ごしているよ」
毎日です、そうしているというのです。
「実際にね」
「僕達三人ウィンキーの国で暮らしてて」
ジャックも言います。
「お家は離れているけれど」
「それでもですね」
「家族だね」
そうなることをです、ジャックも言うのでした。そしてジュリアもです。
お菓子も蜂蜜も楽しんだのでにこにことしつつこう言うのでした。
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