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俺の涼風 ぼくと涼風
18. “絶対に負けない”
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き、ほっぺたに激痛が走る。どうやらノムラから渾身の平手打ちをされたらしい私は、そのままデッキに身体を投げ出され、受け身も取れずに倒れた。それでも私は上体を起こし、そして、力が戻った目でノムラを睨みつけた。

「いッ……なにしやがるッ……!」
「……男か? そいつは、お前を誘惑する、悪い男か……?」

 ノムラは右手での平手打ちを振りぬいた姿勢で動きを止め、ハァハァと息切れを起こしている。その顔が真っ赤で、怒り心頭のようだ。私が自分ではなく、他の男と仲がいいということが、ノムラの癪に障ったのだろう。あの時のように、私を自由に出来ると思っていたのだろう。

 でも負けない。絶対に負けない。私とゆきおは二人で一人だ。私はゆきおのもとに帰るんだ。そのためにも、私とゆきおを引き剥がそうとする、この、おぞましく、自分勝手に私を蹂躙するノムラなんかには、私は絶対に負けない。

「てやんでい! ゆきおはなあ!! お前みたいなクソッタレと違うんだ!!! お前なんか、ゆきおの爪の垢でも煎じて飲みやがれ!! それすらお前なんかにゃもったいねえや!!!」
「……ッ!!」
「分かったら、あたいをさっさと鎮守府に戻せ!!! あたいをゆきおのもとに帰らせろッ!!!」

 ノムラが私の頭を掴み、そして思いっきり私の背後に押し倒した。後頭部をデッキにぶつけた私は、一瞬頭がグラッとしたが、すぐに頭を覚醒させ、そして再び、目の前の不快な男を睨みつけ、そして威嚇した。

 私に平手打ちを浴びせ、頭をデッキに叩きつけても、ノムラは冷静さを取り戻さなかったようだ。肩の上下は止まらず、乱れた呼吸は一向に整わない。だが目が据わりはじめ、その冷たい眼差しで、私のことをジッと睨みつけてきた。そしてそのまま私に馬乗りになり、薄汚い両手でセーラー服の裾をつかむ。

「なにしやがんだッ……このヘンタイヤロー……!!」
「そいつに汚されたのか!? お前の綺麗だった身体は、そいつに汚されたのか!? 俺の、俺だけのこの身体は!!?」

 ノムラが私のセーラー服をたくし上げ、私の肌が顕になった。そのままノムラは私のお腹をその手で、感触を確かめるようにゆっくりとさすりあげる。お腹にこの上ない不快感と嫌悪感が襲いかかり、吐き気を感じずにいられない。気持ちが悪い。吐きそうだ。気持ち悪い。気持ち悪い。

 だけど。

「ふざけんな……まだゆきおは、あたいのお腹にすら触ってねー……!!」
「そぉーか……愛する涼風の言葉なら、俺は信じて……」
「だけどなぁ……あたいはゆきおのモンだ……ッ!!! あたいの身体は……ゆきお以外の奴にゃゆるさねえッ!!!」
「……ッ」
「特にてめーみてーな汚えヤローなんかにゃ、ぜってーゆるさねえ!!!」

 負けない。絶対に負けない。ゆきおの元に帰
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