第一章 ハジマリ
第26話 VSザ・デッド――勝負の結末
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手! ソウルを発動しても尚、スキア選手の繰り出した強力なシュートに押され気味です!! もう一点の失点も許されないテンマーズ! このまま勝負はついてしまうのか!!』
「アステリ!」
フィールドに響くアルの興奮気味な言葉と、自分の名前を呼ぶフェイの声が聞こえてくる。
まるでドリルのように旋回しながら突き進むシュートを受け止めながら、アステリは思考を巡らせる。
もう一点の失点も許されない……
ここで自分が防げなければ、確実に試合に負ける。
そんな、自分達の先にあるのは…………"破滅"の未来。
自らにとっても、彼等にとっても、最悪な未来。
大事なモノが全て消えた、無彩色の未来。
希望もなければ絶望も無い、平凡で平等の未来。
そんな未来が――世界が、また創られてしまう。
――嫌だ
アステリの脳裏に始めて見た、あの、色鮮やかな青空がよぎる。
何の変化も無い、平凡で退屈な日々の中で見つけた、あの色鮮やかな青色。
ずっと見たくて、思い願っていた、宝物。
――やっと、見つけられた
――やっと、触れる事が出来たんだ
――それなのに……こんな所で消えるなんて……
――失うなんて……
――そんなの…………
《そんなの…………絶対に、嫌だっ!!》
「!」
そう叫んだアステリの思いに呼応するかのように、白い翼を携えたソウルはその清んだ水色の瞳に禍々しい黒い咆哮を見据えると、大きく、それでいて激しく羽ばたいた。
《絶対に、止める!!》
白鳥は大きく甲高い声を上げると、目の前のシュートを圧倒し、前進し始める。
先程まで白鳥を圧倒していたスキアのシュートは、旋回するスピードを落とすのと同時に徐々にその禍々しい気を失っていき
停止した。
『と、止めたぁぁ!! アステリ選手、スキア選手の超絶シュートからゴールをなんとか守り抜いたぁ!! ザ・デッド、得点ならず!』
「フェイ!!」
アステリはソウルを解除すると、そのままフェイへとパスを繰り出す。
自らの頭上を通過してフェイの元へと飛んでいくボールを見詰め、スキアは呟く。
「さすがです、アステリさん…………やっぱり、私の思った通りだ……」
そう笑う彼の言葉を聞く者は誰もいなかった。
『アステリ選手からパスを受け取ったフェイ選手! 軽やかなステップで、ザ・デッドメンバーを交わしていきます!』
「ミキシトランス、ビッグ!」
ザ・デッドゴール前。
フェイは全身に力を入れると、オレンジ色のオーラにその身を包み込み、褐色色の肌に青い髪を携えた勇ましい姿へと変身する。
「こい、人間っ」
「いくよ!」
シュート体制に入ったフェイの背後に現れた恐竜は地響きの様な鳴き声を上げると、フェイ
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