第一章 ハジマリ
第26話 VSザ・デッド――勝負の結末
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「やはり、体力の消耗が激しいみたいですね。デュプリさんの動きもトロくなってますよ」
「ッ!」
昨夜の試合の疲れも出ているのだろう、この短時間で著しく体力を消耗したフェイを嘲笑うかの様にスキアは口を動かす。
テンマーズゴール前。スキアは自分とゴールの間に立ちふさがる少年の姿を見ると再度笑みを浮かべ、話し出した。
「待ってましたよ、アステリさん」
「…………」
目じりを吊り上げ、目の前の敵を睨み付けるアステリ。
スキアはそんな彼の表情に小さく笑みを零すと、いつもの様な穏やかな口調で再度アステリに尋ねた。
「一応、お尋ねしますが…………私達と共にクロト様の元へ戻るつもりは……無いのですね?」
「あぁ」
スキアの問いに対し、アステリは突き放すように声を上げた。
例え何十、何百回聞かれたとしても彼の答えは変わらない。変える事等出来ない。
それ程までに強い思いが彼、アステリを突き動かしている。
アステリの答えにスキアは深いため息を吐くと、ゆっくり瞳を閉じ「そうですか」と小さく囁いた。
「……ではその決意、見せていただきましょうか」
「!」
瞬間、スキアは力を込めてボールを蹴り上げた。
そして自身も天高く跳躍すると、必殺シュートの構えをとる!
『スキア選手!! 必殺技の体勢に入った!! あれは、先程テンマーズから一点を奪取した必殺シュートか!?』
「アステリさん、見せてくださいよ。カオス様をも打ち負かした、アナタの素敵な獣の力!」
「!!」
そこで見たスキアの目は
まるで楽しいオモチャでも見つけた子供の様な
現実味や真面目さも無ければ、裏も表も無い。
どこまでも純粋で、それでいて底知れない狂気を感じさせる様な
そんな瞳をしていた。
「ビーストラッシュ!!」
両足に溜まった黒い闘気をボールに叩きつけ、蹴り落とす。
スキアの力を得て発生した黒い咆哮は、ゴールでは無くその目前に立ち塞がるアステリに向かい突撃していく。
自分に向かい進んでくる強力シュートを前に、アステリはキッとその猛攻を見据えると、強く地面を蹴り上げ、高く、高く跳躍した。
スキアの言葉に反発するように、アステリは上空で水色の光に身体を包み込むと、純白の巨大な翼を持った一羽の白鳥へと姿を変え、黒い咆哮を受け止める。
『アステリ選手、ここでソウルを発動!! 白い大鳥と黒い猛獣の咆哮がぶつかり合い、フィールドに激しい爆風を発生させています!!』
《……く……ッ……!》
スキアの放った強力シュートはソウルを発動したアステリの体にぶち当たっても尚、その威力を落とす事は無く。
黒い猛獣のような影を纏いながら、アステリを圧倒していく。
『あぁーと、アステリ選
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