ペルソナ3
1798話
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ちに向けてくる荒垣だったが、それは多分俺の気のせいだろう。
「ふーん。……まぁ、ならいいけど……」
幸いにも、先程の言葉は完全にゆかりに聞こえていた訳ではなかったのか、それ以上の追求はない。
「……おい、痴話喧嘩に俺を巻き込むなよ」
「別に痴話喧嘩って訳じゃないんだけどな」
小声で不満を口にする荒垣に言葉を返し、俺は先程までイオがいた場所に視線を向ける。
シャドウを潰したイオが、先程までそこにいたのが嘘のように消えている。
その消え方は、いっそ死んだシャドウが消えた時のように思えないでもない。
……いや、何を考えてるんだろうな。
「さて。じゃああもう少し先に進むか」
妙な考えを振り払うように、ゆかりと荒垣にそう告げる。
「そうね。もう少しペルソナを使いこなせるようになりたいわ」
「……気をつけろよ。ペルソナを召喚すれば、当然だが使用者の体力を消耗する。もっとも、それに慣れる為には、より多くペルソナを召喚するしかないんだけどな」
「何だよ、それ。最終的には、結局なるべく多くペルソナを召喚する必要があるって事じゃないか」
「そうなるがな」
そんな風に話しながらタルタロスの中を進むと……
「1000円、か」
「……相変わらず、何でこうして現金がタルタロスの中にあるのか、分からないわね」
見つけた空箱の中から出てきた1000円札の姿を見て、しみじみと思ってしまう。
「ああ、それは桐条グループの方でも疑問に思ってたな」
「って事は、桐条グループでも明確な理由は分かってなかった訳か」
「そうなる。……そもそも、このタルタロスという建物自体が色々な意味で特殊な場所だからな。そう考えれば、無理もないさ」
荒垣の言葉に頷き、1000円札は一応確保してそのまま進むのだった。
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