ペルソナ3
1798話
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待ち構えている。
いつ戦闘になっても大丈夫だと、そう言いたげな様子の臆病のマーヤ。
そんな相手を前にして、ゆかりは少しずつ相手に近づいていき……やがて、足を止める。
そこが自分のペルソナの間合いの範囲内だと、無意識にでもそう考えたのか。
ともあれ、動きを止めたゆかりは、召喚器を自分の頭部に向ける。
ここから見ても、召喚器を握るゆかりの手が震えているのが分かる。
これまでシャドウとの戦闘を何度も経験してきたゆかりだったが、それでもやはりペルソナを召喚するというのは、違うのだろう。
ましてや、いつもであれば前衛には俺がいて、その上で炎獣が護衛についている。
それに比べると、ショートボウも手に持っておらず、その代わりに持っているのは銃を模した召喚器。
模したとある以上、当然のように銃弾を撃ったりは出来ない。
もしペルソナを召喚出来ない場合、臆病のマーヤの攻撃をその身で受ける事になる。
……まぁ、何だかんだといったところで、結局は臆病のマーヤ。最弱のペルソナだ。
ブフ辺りを使われるとちょっと厄介かもしれないが、今のゆかりが本来の実力を発揮出来るのであれば、問題なく対処は可能だろう。
「ペ……ペルソナァッ!」
そう叫ぶと共に、召喚器のトリガーを引く。
瞬間……ゆかりのすぐ横に、牛の頭蓋骨に乗った、鎖で縛られた女が姿を現す。
ゆかりのパルソナ、イオだ。
そのイオの出現に反応したのか、臆病のマーヤは素早く地面を這いながら前に出る。
地面を這う速度はそれなりに早かったが、次の瞬間にはイオがその身体の真上に落ちる。
……そう。体当たりとかそういうのじゃなくて、落ちる、だ。
ドン、もしくはズン。
そんな音を立てて、イオは臆病のマーヤを押し潰した。
そうなれば当然のように臆病のマーヤが生きていられる筈もないだろう。
いや、スライムみたいな形なんだし、あるいは……?
そんな俺の予想とは裏腹に、イオに押し潰された臆病のマーヤは実は生き延びた……という事はなく、そのまま消え去る。
「ゆかりの重い攻撃を食らえば、シャドウも潰れて消え去るか」
ギロリ、と。
俺が言葉を口にした瞬間、初めて自分の意思でペルソナを召喚し、戦闘が終了して緊張している筈のゆかりが俺を睨んでくる。
その目に映っているのは、まさに殺気……それも俺はともかく、喧嘩慣れしている荒垣でさえ数歩後退る程の殺気だった。
「ねぇ、アクセル。何だか今……非常に気になる言葉が聞こえたような気がするんだけど……気のせいかしら?」
「ああ、多分気のせいだな。初めての戦闘にしては立派にやり遂げたって、感心していただけだから。なぁ?」
「あ、ああ。……うん」
何だか俺を巻き込むなといったような視線をこっ
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