ペルソナ3
1798話
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ろ」
そう告げる荒垣の言葉に、ゆかりは少し考え……やがて、1歩、2歩と足を踏み出していく。
「随分とスパルタだな」
そんなゆかりの様子を見ながら、俺は隣までやってきた荒垣に話し掛ける。
だが、その荒垣は特に自分が厳しい真似をしているといったつもりはないのだろう。
不思議そうに、俺に視線を向けてくる。
「そうか? そこまで厳しいとは思わないけどな。実際、ペルソナが使えるのなら、臆病のマーヤ程度雑魚でしかないし」
「いや、けどゆかりのペルソナのイオが使えるのは、ディアとかいう回復魔法なんだろ? それで、どうやってシャドウを倒すんだよ」
「別に、ペルソナはその特殊能力を使わなければ戦えないって訳じゃない。出ている事が出来る時間は数秒から、10秒程度だが、それでも物理攻撃は十分に可能だ」
「……なるほど」
イオの姿を思い出しながら、荒垣の言葉に頷く。
鎖に縛られた女というイオの姿だが、その女が乗っているのは牛の頭蓋骨のような存在だ。
臆病のマーヤを相手にした場合、それこそ重量差でどうとでも出来るだけの力はあるだろう。
いつもは弓を持つ手に召喚器を持ちながら、ゆかりは臆病のマーヤに近づいていく。
本当に今更の話だが、弓を武器にしているゆかりにとって、召喚器って実は使いにくい代物だよな。召喚器を持っていれば、弓を持つ事は出来ないんだから。
「ホルスター……どこにやったか……」
荒垣も俺と同じ事を考えたのだろう。そんな風に呟いている声が聞こえてくる。
恐らく、召喚器を収める為のホルスターというのがあるんだろう。
別にそれ専門のホルスターではなくてもいいい。
「これ、後で渡しておくか」
そんな訳で、俺は空間倉庫の中からホルスターを取り出す。
言うまでもなく、このホルスターは誰かから……どこぞのマフィアやテロリスト、もしくは軍事基地辺りから盗んできた代物の1つだ。
「お前……いやまぁ、あるなら別にいいけどよ」
いつの間にか俺の手に握られていたホルスターを見ながら、荒垣が一瞬驚きの表情を浮かべる。
だが、すぐに俺がゲイ・ボルグを空間倉庫から取り出した時の事を思い出したのだろう。
その驚きはすぐに消え、俺が持っているホルスターに視線を向けると、それ以上は何も言わない。
まぁ、玩具のホルスターとかならまだしも、このホルスターは本物の、それこそ普通に銃撃戦で使われるホルスターだしな。
もしかしたら、実際に銃撃戦で使われた経験のあるホルスター……つまり中古である可能性も否定は出来ないが、まぁ、その辺は黙っておこう。
ともあれ、俺と荒垣の視線の先では、いよいよ戦闘が始まろうとしていた。
近づいてくるゆかりに気が付いた臆病のマーヤは、じっとその姿を
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