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転生とらぶる
ペルソナ3
1798話
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思っているのか、よーく分かったわ」

 ジト目を向けてくるゆかりだったが、普段のゆかりの性格を考えれば、俺のその予想は決して間違っていない訳ではないと思う。
 あのゆかりだぞ? それが回復役……分かりやすく言えば、近衛とかと同じ役割だなんて……到底、納得出来ないと思っても、間違いじゃない筈だ。
 そう言えば、桜咲や近衛とも暫く連絡を取ってないな。
 一応シャドウミラーのメンバーなんだが、俺と一番行動を一緒にする事の多い実働班でもないし、技術班でもない。ましてや、住んでいる場所も同じ居住区画でも結構離れた場所だしな。
 ああ、でも一応桜咲は所属としては実働班という扱いなのか。
 もっとも、PTとかの機動兵器ではなく、純粋に生身での戦い専門なのだが。
 ゆかりのジト目から逃れる為にそんな事を考えながら歩いていると、やがて視線の先の通路からシャドウが姿を現す。
 スライムもどきか。

「臆病のマーヤか」

 俺とゆかりの背後で、荒垣がそう呟く。

「臆病のマーヤ? あのシャドウの名前か?」
「ああ。俺が知ってる限りでは、シャドウの中でも最弱の存在だ。また、タルタロスからよく外に迷い出てくるシャドウも、大半がこいつだな」
「あー……なるほど」

 ゆかりと初めて会った時に襲っていたシャドウも、このスライムもどきだった。

「なるほど、臆病のマーヤか。……妙な名前だな」
「いや、スライムもどきよりはマシだと思うけど?」

 先程の仕返しのつもりなのか、ゆかりは俺の言葉に対して即座にそう告げてくる。
 もっとも、それは否定出来ない事実である以上、俺からは何も言えないんだが。

「なら、取り合えずこれからはあいつの事は臆病のマーヤって呼ぶ事で」

 まだこっちに気が付いていないのだろう。
 臆病のマーヤは、1匹だけでタルタロスの通路を這いずり回っている。
 ……本当に今更の話なんだが、あいつは何をしたいんだろうな。
 そんな疑問を抱いていると、俺とゆかりのやり取りに呆れの表情を浮かべていた荒垣が我に返ったのか、やがて溜息を吐きながら口を開く。

「とにかく、臆病のマーヤが相手ならペルソナを初めて使うのに丁度いい。お前達もタルタロスを攻略してるなら、臆病のマーヤがどれだけ弱い相手なのかは、実感として知ってるだろ?」
「それは……まぁ」

 荒垣の言葉に、ゆかりが頷く。
 実際、今日は出していないが、護衛として炎獣がいる状態であれば弓を使ってあっさり倒せる程度の強さしかない。
 荒垣が言う、シャドウの中で最弱の存在だというのも、決して間違っている訳じゃないだろう。
 そういう意味では、確かにゆかりのペルソナを使う為の練習相手というのは、これ以上相応しい相手もいない筈だった。

「なら、やってみ
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