ペルソナ3
1798話
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「いいか、ペルソナを使う上でまず大事なのは、平常心を保つ事だ」
タルタロスの2階を進む俺とゆかりの背後で、荒垣はそう呟く。
最初にこの2階に上がった当初は、昨日の死神がいるかもしれない……そんな思いもあったのだが、幸いにもこの階層に死神の姿はない。
まぁ、死神がいるのであれば、間違いなく念動力が教えてくれる。
そう考えれば、寧ろ念動力に反応がない以上、その辺りを心配する必要はなかったのかもしれないが。
「平常心、ですか?」
それくらいであれば、特に問題はないと、そう言いたげな様子のゆかりの呟き。
だが、そんなゆかりの言葉に、荒垣は言葉を続ける。
「前にも言ったと思うが、ペルソナを呼び出す時に召喚器を使うのは、擬似的な死を体験して、それをトリガーとしてペルソナを召喚する為だ。そんな状況で、本当に平常心を保てていると思うか?」
「それは……」
荒垣の言葉に、ゆかりは言葉を濁す。
まぁ、普通なら擬似的な死を体験しているのに。平常心を保てというのが無理な話だろう。
勿論、ペルソナを召喚する事に慣れてくれば、それも問題なく行えるようになるかもしれない。
だが、その慣れるまでが大変だという事か。
「他にも、ペルソナは個人によって大きく特性が異なる。シャドウと戦う為には、自分の持つペルソナの特性を十分に理解して使いこなすことが大事だな。……もっとも、岳羽だったな。自分のペルソナが既に存在しているのを分かるのなら、どんな能力を持っているのかも殆ど本能的に理解出来る筈だ。そうだな?」
荒垣の言葉に、ゆかりは目を閉じる。
自分の中にある何か……この場合はペルソナだろうが、そのペルソナに意識を集中しているようなそんな感じで。
すると、やがて驚いたように目を見開き、俺に視線を向けてくる。
「本当だ。ペルソナが……イオがどんな力を持ってるのか、分かる」
「へぇ。どんな力を持ってるんだ?」
ゆかりの言葉に興味を持って尋ねてみると、ゆかりは満面の笑みを浮かべて口を開く。
「ディアっていう、1人をある程度回復させる魔法が使えるわ」
「……へぇ」
予想外にあっさりと出てきたその言葉に、驚き……それで、意外そうな表情が浮かぶのが自分でも分かった。
ゆかりは、そんな俺の言葉に何故か不満そうな表情を浮かべ、口を開く。
「何でそんなに意外そうなのよ」
「……いや。ペルソナってのは、召喚者と何らかの関係がある能力になるんだろ?」
確認の意味も込めて荒垣に視線を向けると、荒垣はそれに頷く。
「まぁ、そうだな」
「なら、イオは攻撃的な魔法を使えるようになっていても、おかしくないだろ? それこそ、アギとかブフとかガルとか」
「……アクセル、あんたが私の事をどう
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