暁 〜小説投稿サイト〜
歌集「春雪花」
361

[8]前話 [2]次話



 恋に病みて

  生くるに病みて

   荒れ野原

 月なかりせば

    道も見えざり



 叶わぬ恋に嘆き…生きることさえ辛くなり…。

 見えるは夏草と枯草の混じる荒れ果てた野原…。
 まるで私の荒んだ胸のうちのようで…あまりの虚しさに目を背ける…。

 きっと私の人生は今…この目の前の荒れ野原のような場を彷徨しているのだろう…。


 生憎の雨で月明かりもない…道なき道を進む術は…何処へあるや…。



 小夜更けて

  空も老けしか

   涙落つ

 たれそ恋しや

    想い馳せなむ



 雨音にふと時計を見れば…既に真夜中を回っていた。

 弱々しい雨音に、空も私のように老いて…涙脆くなっているのだろうかと…。

 あぁ、一体誰を想うのか…。

 星影もない暗く沈む空を見上げ…私は愛しい彼を想い…


 私も地へと…雨を落とした…。




[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ