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獣篇T
6 同じところに2人は、座れない。
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、その時ふと、銀時たちのことを思い出した。

  私が行けば、銀時(あのひと)たちを…おいていくことになる。



  いいのか…彼らをおいて、自分だけ行ってしまっても、いいのだろうか?



  自分の中の良心と、獣が対峙する。
  私はどちらに従うべきか…

  私の良心が、痛む。だが(そいつ)は、甘い言葉を囁く。
  「奈落(あいつ)らについていけば、もう戦わなくて、済む。」

  負けてはいけない…銀時たちを…仲間をおいていくことは、できない…



  そう思うも、体は言うことを聞かない。





  しかし時間は、私にお構いなしにすぎていく。


  当然の流れで、朧は言う。


  _「ああ。今から連れて行ってやるよ……零。」



  思わず、ビクッと体が震えた。

  久しぶりに聞いた、その名前を。




  松陽との思い出が、頭を駆け巡る。



  …と同時に、銀時たちと過ごした日々も、蘇る。





  果たして私は、どちらを選ぶべきか…





  考えている私をよそに、奈落のやつらは、私を連れて行こうとする。



  _やっぱり、残る…


  そう伝えようとした時、ふいに誰かが私の名前を呼んだ。



  _誰?



  目を覚ますとそこには、心配そうな顔をした銀時と、神楽ちゃんがいた。
  
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