659部分:第五十一話 孫尚香、立ち上がるのことその八
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第五十一話 孫尚香、立ち上がるのことその八
「恋殿の次に貧乳が大事なのです」
「大事なのね」
「その通りなのです」
こう言うのだった。
「この世の胸の大きい奴は恋殿以外許せないのです」
「そうです。今こそ貧乳の権利を勝ち取りましょう」
「はい、絶対に」
周泰と呂蒙もそれを言う。
「胸がないのも大きいのと同じ位素晴しいのですから」
「権利を勝ち取りましょうね」
「そうよ。同志も集まってきたし」
孫尚香はさらに自信に満ちていた。
「いよいよね。正義の名の下に」
「そや。うちの全力を使ってや」
「貧乳の王道楽土を作るのです」
この二人も加わるのだった。貧乳の輪は確実に大きくなっていた。
それはだ。遠いこの地においてもだ。孔明がふと言うのであった。
「何かどうしても」
「どうしたの?朱里ちゃん」
「どうしてかわからないけれど」
こう前置きしてから鳳統に話すのだった。
「胸のことでね」
「胸?」
「やっぱり私の胸って大きくならないのかしら」
困った顔での言葉だった。
「このままずっと」
「そうよね。私も」
「雛里ちゃんもなの」
「大きくならないのかしら」
鳳統もだ。困った顔になっている。
「どうしても」
「愛紗さんなんか」
まずは彼女の名前が出て来た。
「あんなに大きいのに」
「桃香さんも」
次は彼女だった。
「何もしないでもああなったのよね」
「そう言ってるけれど」
「そうなるのかしら」
二人でだ。俯いて暗い顔になって話すのだった。
「あそこまで」
「大きくなれるのかしら」
「若しかしたら」
ここでだ。鳳統が言った。
「あれじゃないかしら」
「あれって?」
「紫苑さんだけれど」
彼女の名前も出る。
「お子さん生まれたら胸が」
「大きくなるの?」
「そうなのかな」
こう孔明に話す。
「それで大きくなるのかしら」
「ううん、そうなのかな」
孔明は暗い顔で彼女の言葉を聞いていた。
「じゃあ私も結婚して」
「子供ができたら」
「大きくなるの?」
「そうなのかな」
こう二人で話すのだった。そしてだ。
その二人のところに張飛と馬岱も来た。そして二人に尋ねるのだった。
「どうしたのだ?暗いのだ」
「そうよ。ほら、これ食べようよ」
馬岱はここで二人にバナナを一房出す。
「元気が出るよ」
「あっ、バナナ」
「それなんですか」
「そうよ。これ食べるとね」
馬岱はもうそのバナナを剥いている。まずは先を舌でねぶっている。
「大きくなれるらしいよ」
「えっ、大きく」
「大きくなれるんですか」
「うん。神楽さんがさっき言ってたよ」
今度は先から頬張っている。そのバナナをだ。
「バナナって大きくしたい
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