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俺の涼風 ぼくと涼風
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ウトに作ってるけど、大丈夫か?」

 摩耶姉ちゃんも私と同じ疑問を抱いたようだけど、まさか摩耶姉ちゃんの口から『アバウトで大丈夫か?』という言葉が出てくるとは思ってなかったため、私はけっこう驚いていた。

「大丈夫です。この作り方なら、意外となんとかなるんです。全体的にぽってりするまでかき混ぜて下さい」
「がってんだぁー」
「ぽってりしてきたら、生クリームを入れてさらにかき混ぜてくださいね」
「はいよー」

 美味しそうな黄色に染まった生地が、ぽってりとまとまってきた。そこで榛名姉ちゃんが準備してくれてた計量カップの生クリームをボウルに加え、さらにかき混ぜていく。生地のぽってり具合が多少緩んできたところで、榛名姉ちゃんは私の手を止めた。

「じゃああとは型に入れて、ブルーベリーを乗せて焼きましょう」

 これまたいつの間にか準備されていた、紙製のカップに生地を入れる。生地は意外と粘り気が強くて、中々カップに入れづらい。6つある型のすべてに苦心して生地をぽてっと入れた後は、榛名姉ちゃんに言われたとおり、ブルーベリーを載せた。

「おい涼風」
「なんだよぅ」
「鼻に生地ついてんぞ」
「ほ、ホントに!?」
「なにやったらそんなとこに生地がつくんだよ」
「へへ……」

 溶き卵を作った後、さして手伝いをせずに私たちに茶々を入れるだけの摩耶姉ちゃんにそんなことを指摘され、私は慌てて鼻の頭を拭く。通りでさっきから、ホットケーキミックスの香りが妙に鼻についてたのか……念の為ゆきおのカーディガンを脱いでおいてよかった。私は反射的に、カーディガンを畳んでしまっておいた、隣の準備室への扉を見た。

 私がうろたえている間に、榛名姉ちゃんがブルーベリーを乗せ終わったらしい。生地が入った6つのカッブをテーブルにトントンと落としている。

「なにやってんだ?」
「空気を抜いてるんです」

 その後は、これまたいつの間にか温められていたオーブンに、6つのカップを入れて、焼くだけだ。オーブンにカップを入れてしばらく経った頃から、調理室内にケーキの甘くてよい香りが漂い始める。漂う香りに気付いた私と摩耶姉ちゃんは、鼻の穴を広げて、すんすんと周囲を空気を堪能した。

「んー……いい匂い……すんすん……」
「だなぁ……すんすん……」
「ですよねー……」
「さすが榛名姉ちゃん。すんすん……」
「ま、まだ出来てないですから……」

 ほどなくして、チンという音が鳴り響いた。榛名姉ちゃんがオーブンの扉を開き、中のマフィンが乗っかった天板を取り出した。

「はいっ! 完成です!!」
「おおっ……」
「こ、これは……榛名姉ちゃん……!!」

 天板に並べられた6つのマフィンは、甘い香りを周囲に漂わせながら、ふっくらと焼き
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