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俺の涼風 ぼくと涼風
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名は大丈夫です!!」



 榛名姉ちゃんの昼食が終わるのを待ち、私は榛名姉ちゃんに、何かお菓子の作り方を教えて欲しいとお願いしたところ、榛名姉ちゃんは二つ返事でOKしてくれた。

「ところで、何かリクエストはあります?」
「んーと……特に無いけど……」

 強いて言えばゆきおが喜びそうなものだけど……今までゆきおは和菓子を食べてるとこしか見たこと無いけど……思い出してみると、豆大福に桜餅……なんとなくだけど、甘いだけじゃなくて、なにかしら味にアクセントがあるものを好んで食べてるような……

「じゃあマフィンでも作りましょっか」
「まふぃん?」
「平べったく言うとカップケーキです。作り方も簡単ですし、色々アレンジも出来ますから」

 作るものは決まった。かくして『面白そうだからあたしも付き合ってやんよ』と無駄に付き合ってくれることを決めた摩耶姉ちゃんと私の二人が生徒で、榛名姉ちゃんが先生の、お菓子作り教室が幕を開けた。私たちはさっそく鳳翔さんの許可を得て調理室を使わせてもらい、マフィンの作り方を教えてもらうことにする。

「えーと……たしか……」

 榛名姉ちゃんは何かを思い出しながら調理室の中を色々と探しまわり、ホットケーキミックスとバターと砂糖、卵と生クリームと……

「冷蔵庫の中で見つけたので、これも使いましょう」

 冷蔵庫の中からブルーベリーを取り出していた。食材の準備が整った後、榛名姉ちゃんは計りを使って分量を確認しながらバターをボウルに入れ、それを電子レンジでチンして、溶かしバターを作った。

「んじゃ涼風ちゃん、溶かしバターに砂糖を入れて、泡立て機でかき混ぜて下さい」
「はーい!」
「摩耶さんは溶き卵を作っておいて下さい」
「了解だッ!」

 私と摩耶姉ちゃんは、息を揃えてボウルの中身をかき混ぜる。その様子を見る榛名姉ちゃんの眼差しが気になった。

「……」
「……榛名姉ちゃん?」
「はい?」
「……んーん。なんでもない」
「?」

 なんだか私たちを見る、榛名姉ちゃんの眼差しが、とてもうれしそうなんだけど、なんだか嬉しいだけじゃなくて、気を許すと泣き出してしまいそうな、そんな不思議な笑顔に見えた。

 私が泡立て機でかき混ぜたものに、摩耶姉ちゃんが作った溶き卵を数回に分けて加えてかき混ぜていく。充分に混ざったところで、榛名姉ちゃんが……

「じゃあここでホットケーキミックスを入れます」

 と準備していた袋をボウルの上で逆さにひっくり返し、袋の中身のホットケーキミックスを乱暴にすべてドバッと入れてしまっていた。私はよく知らないが、ケーキ作りってけっこう丁寧にやらないとダメだったような気がするんだけど……

「なぁ榛名ー。ケーキ作りの割にはけっこうアバ
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