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俺の涼風 ぼくと涼風
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持ちいい。

 ……フと、摩耶姉ちゃんのどんぶりを見た。すでに海老天は食べ終わっているようで、エビのしっぽだけが、どんぶりのそばつゆの中を、ぷかぷかと漂っていた。

「あれ? 摩耶姉ちゃん、海老天のしっぽ食べないの?」
「普通食わねーだろ。ずずっ……」
「ジャリッてしてて美味しいのに……」
「お前の気が知れねー……ずずっ……」

 摩耶姉ちゃんの暴言にいささかの憤りを感じはしたが、そこはあえて聞き流す。私は、この前私の質問に答えてくれなかった姉ちゃんズとは違うんだ。こういう時、自分の気持ちを押し殺して、スッと相手に譲ることが出来る大人なんだ。ゆきおみたいな。ずるっ……

 その後はとりとめのない話をしながら、二人で天ぷらそばに舌鼓を打った。絶品の天ぷらそばを食べ終わり、今の私と摩耶姉ちゃんは、熱いお茶を飲みながらしば漬けをパリパリと食べ、昼食の余韻を反芻している。

「ところで涼風はさ」
「んー?」
「雪緒に何か作ったりはしねーの?」
「何か作ったりって?」
「ほら。雪緒って甘いモノ好きだろ?」
「うん。ズズッ……」
「だから、そんな雪緒のために、お菓子つくったりしねーのかなーって」

 突然何のことかと思えば……私はしば漬けを多めに口の中に運び、必要以上にバリバリと言わせた。こんな私だから、どこをどう切り取っても『料理』なんて柄じゃないだろう。

「あたいが料理だなんて、ガラじゃねーって。ゆきおだって、あたいが作ったお菓子より、鳳翔さんが作ったおいしいお菓子の方が喜ぶだろ?」

 そこが少々シャクだけど……でも実際本当のことだ。下手くそな私が作った出来の悪いお菓子の化物よりも、上手な鳳翔さんが作った豆大福や桜餅の方が、ゆきおだって喜んでくれるはずだ。

 ……なんてことを考えていたら、目の前の摩耶姉ちゃんの顔が、みるみるげんなりしてくる。あからさまにがっくりと肩を落とし、うなだれ、私に対して呆れ返っているようだ。

「はぁー……涼風……」
「んー? バリバリ……」
「……いや、そういやここに来てずっとつるんでたのがあたしだからなぁ。そらぁおしとやかになんかなるはずないか……」
「それもそうだ。バリバリ……」

 いまさら何を言うかと思えば……もっと早く榛名姉ちゃんと仲直りできていれば、五月雨のような可憐な佇まいを教えてもらえていたのかも……いや、ないか。

「でもさー。想像してみろよ涼風っ」

 摩耶姉ちゃんが顔を上げ、目をキュピンと輝かせ、私の顔を見つめはじめた。なんだか輝いてる目が古鷹さんみたいで面白い。そういや二人とも重巡だった。いや全然関係ないけど……そんなどうでもいいことを考えながら、奥歯に挟まったしば漬けのかけらを取るべく、爪楊枝で口の奥を掃除していく。

「なにを
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