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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica3-Bマリアージュ事件〜Unidentified〜
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手を振ってくれた。シャルの家へは、特騎隊設立祝いのパーティを開いた際に1泊させてもらった。その帰りにも、また泊まりに来てね、と誘われてはいたんだが。もうそんな暇が出来ることもなく、随分と時間が経ってしまった。

「もう、母様。ちゃんと後日、ルシルを招待するから。今は本題にゴーゴー!」

『もう。でもまぁ今は本題の方が重要なのよね。トリシュタンとアンジェリエから、古代ベルカはガレアの王、冥王イクスヴェリアの私兵であるマリアージュが確認された、と連絡を受けたの』

「マリアージュ!?」

「イクスヴェリア・・・!」

イクスヴェリア。本当に懐かしい響きを耳にしたな。彼女と共に過ごした時間はあまりにも短いが、個人的な付き合いも僅かながらにあった戦友だ。

――私の本当の名はイクスヴェリア。フィロメーラは偽名なのです。ごめんなさい。あなたを騙していました――

――永遠の別れとなる前に、あなたにお礼とお別れを告げておきたかったのです。改めて、ありがとうございました。そしてさようなら。どうかあなたの戦いが、あなたの望む形で終わるよう祈っています――

――イクスヴェリア陛下。おやすみなさい。またお逢いしましょう――

――はい。おやすみなさい。いずれまたお逢いしましょう――

イクスヴェリアと過ごした最後の時間が思い起こされる。彼女の頭を撫で、そして彼女の両手で包まれた右手を見る。再会の約束か。当時は、まさかこんな時代まで生き続けるとは思えなかったため、かの約束を果たせる事は二度とないと思っていたが・・・。

(果たすべきなのだろうが、俺の正体を知る人物をこれ以上増やすのも勘弁だな)

アイリは俺を一番に考えてくれているから、あの子から漏れる心配はない。アインスの口封じも完璧だ。俺が存命中の内は、俺の真実は口に出来ない、という条件付けをしているからな。だが、知っているという事実が危ういんだ。

(フォルセティと共に、オーディン・・・と言うよりはセインテスト家の子孫として接するしかないか)

『今のところは私の独断だけれど、イクスヴェリア陛下を教会に招きたいのよ。手が空いていればだけれど、あなた達もミッドに降りて捜索を手伝ってもらいたいの。アンジェリエの話だと、ティアナ・ランスター執務官という局員が、この事件の担当者らしいから』

「おお、ティアナ! 知り合い、友人、戦友だよ、母様! ね? ルシル!」

シャルに「ああ」と頷き返しながら、先ほどの通信でティアナは、事件の捜査中、と言っていたのを思い返す。やっぱりトリシュとアンジェも捜査協力していたんだな。

『それで、どうかしら? 私には騎士団を動かす権限が無いから、娘やその友人にしか頼めないのよ』

「ん、判ったよ、母様。わたしとルシルでミッドに降
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