第一章 ハジマリ
第25話 VSザ・デッド――攻撃
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の冷静さ等無かったかの様なその歪んだ笑みに、アステリとフェイは言い表し様の無い恐怖に足がすくんだ。
瞬間、スキアはゴール目掛け突き進むアステリのシュートを右足で受け止めると、難なくシュートを止めてしまった。
「なっ……」
目を丸くしたまま、アステリは信じられないとでも言いたげに声を漏らす。
スキアは受け止めたボールを地面に下ろすと、片足で踏み目の前のアステリ達へと視線を戻した。
「おや、何を驚いた表情をしているんですか? まさか、あんなシュートで点を取ろうだなんて考えていた訳じゃ無いですよね?」
「ッ……スキア……!」
スキアの言葉にアステリは歯を食いしばり、眉をひそめる。
「いけませんよ、アステリさん。必殺シュートと言う物は、こうやって撃つモノです」
そう薄く笑みを浮かべた直後、スキアは空高くボールを蹴りあげ、自身も天高くジャンプした。
テンマーズを圧倒する程の跳躍力を前に、アステリとフェイも急いで自陣ゴール前目指し走っていく。
『スキア選手! 凄まじいジャンプ力でテンマーズを圧倒! これはまさか、シュート体勢か!?』
スキアは両足に黒い闘気を纏わせると、ボールに向かい何度も強力な蹴りを食らわす。
「ビーストラッシュ!!」
スキアの力を得、蹴り落とされたボールは黒い猛獣の咆哮にも似た轟音と共にテンマーズゴールに向かって飛んでいく。
「!! 速いっ!」
天空から繰り出された超絶シュートは凄まじいスピードで突き進む。
それは、FWポジションから守備へと走り戻ろうとしたフェイとアステリを無情にも置き去りにし、ゴールキーパーマッチョスの身体ごとゴールネットへと突き刺さった。
『ゴォォォル!! スキア選手の繰り出した超絶シュートがゴールに突き刺さったぁぁ!! 両チーム、これで同点です!!』
「……なんて威力だ……」
「……っ」
今まで全く動こうとしなかったスキアが繰り出した凄まじい威力のシュートに、フェイは呟いた。
スコアボードを見て、苦虫を噛み潰した様に顔を顰めるアステリにスキアが笑いかける。
「いかがでしたか、アステリさん。……アナタもイレギュラーなら……これ位のプレーはして頂かないと…………クロト様の子供として、失格ですよ」
「っ! ボクはあんな奴の子供じゃないっ!!」
「! ……アステリ……?」
『クロトの子供』と言うワードに強く反発するアステリ。
いつもの穏やかな様子とは違う強く大きな彼の言葉に、ポジションに戻ろうと離れた場所にいたフェイが反応した。
「ずいぶんな言われですねぇ…………まぁ、反抗するのは勝手ですが……アナタ様も、少し自分の立場をわきまえるべきですね」
「……どう言う意味だ……」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ