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FAIRYTAIL 心を失くした少女
3話 ハコベ山にて
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遅い」

地面に着地し、バルカンの方を見つめポツリと呟いたシロの言葉に、バルカンは更に怒りを露わにする。


「お前……許さないッ!! 絶対、殺す!!」

「シロッ!!!」

怒り、シロを倒そうと拳を振るうバルカン。

焦るルーシィの声をよそに、シロは冷静にバルカンの動きを見つめ、右へ左へと避ける。



が……


ふと……シロの動きが止まる。


そして……



ぐぅぅぅぅ……

「……お腹……空いた」


「えぇええええええっ!? (こんな時に何言ってんのよ!?)」

しゃがみ込み、呟きお腹を抑えるシロにルーシィは唖然と呆れを混じらせた声を上げる。

だが、この状況を好機と見たのか、バルカンは……



シロの背後に立つとその大きな両の手でシロの身体をガシッ! と掴み、グググッ……と、力を入れていく……。


「シロ!?」

「捕まえたゾ! これで……殺してやるっ!」


「やめっ!! (助けないとっ! シロを殺させるなんて……絶対、させないんだから!)

お願い! 力を貸して……
開け! 金牛宮の扉!! タウロス!!」

ルーシィの唱えと共に地面に魔法陣が浮かび、そこから大きな身体の牛が現れる。

「モーー!! ルーシィさん! 相変わらずのナイスバディですなー、モー!!」

現れた瞬間からの変態発言で一瞬ルーシィは落胆のため息をつくが……


「今はそれどころじゃないの! お願い、シロを助けてっ!!」


ルーシィの言葉にタウロスは漸くバルカンとバルカンに捕まるシロに気づく。

その様子にタウロスは真剣な表情を浮かべると手に持っていた斧を構える。


「モー……ルーシィさんの頼みならば!!」

「お願いっ!!」

「モォオオオオオッ!!!」


そう声を上げるとタウロスはバルカンを倒すべく、シロを助けるべく攻撃を仕掛けようとする。


「……う?」

タウロスの雄叫びを聞き、そちらへと目を向けるシロ。

そして……シロはその更に後ろへと視線をふっと向ける……。



「……遅い」



「うううおぉおおおおおおお!! サーーールーーー!!!!」


「へっ!?」

「んモッ!?」

「オッ……?」


物凄い叫び声と共に、ナツが落とされた穴から飛び上がってきた。

その姿にルーシィはパァッと笑みを浮かべ、嬉しそうに声を上げる。

「ナツっ!!!!」



火竜と猿と牛が対峙する……



「サル……てめぇ、シロを離せっ!!!」


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