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FAIRYTAIL 心を失くした少女
3話 ハコベ山にて
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「て、シロを離せやクソ猿ぅうううっ!!」

「“あたしは無視かいっ!? ”と、申しておりますぅぅぅ……」

ルーシィの声を代弁するホロロギウムの声が微かに響きながら、2人を抱えたバルカンは山の奥へと消えていった……。









ーーーーー







バルカンに連れられたシロとルーシィはハコベ山山頂付近の大きな氷で出来た洞穴にいた。


「“な、何よこの状況なんでこんなことになってる訳? てかこの猿テンション高いし!!” と、申されましても……」

「……」

シロとルーシィの周りをくるくると回り、テンションの高い目の前のバルカン……すると

ポンッ! と、いう軽い音と共にホロロギウムが消えてしまう。

「え!? ちょ、ちょっと! なんで消えるのよ!?」

「時間ですので、ごきげんよう」

星霊界へと戻る時間になり、ホロロギウムは消えてしまったようであり、ルーシィは慌てた。

「延長よえんちょー!! ねぇ!!!」

大声を上げるがホロロギウムは戻ってこず……そして


「ウホッ! 人間の女だー!!」

バルカンがルーシィの方へと、飛び込んでくる。



「ひぃいいいいいいいっ!!??」



ズドォオオオオオオンッ!!!!!






「……へ?」

恐怖と驚愕で頭を抱え、目を瞑るルーシィの耳に届いたのは大きな轟音だった……
身体には何も衝撃が来ず、不思議に目をそっと開けると……



「! シロ……?」


真っ白な雪に消えてしまいそうな長い髪を揺らす小さな後ろ姿……その先には恐らく、シロに吹き飛ばされたのであろう、バルカンが転がっていた。



「ルーシィ、怖がってた……相手、シロがする……ルーシィには、近づかせない……」

「シロ……」


相変わらず、感情の見えない表情と言葉使いだが……少しだけ、ルーシィにはシロのその姿に……怒りを感じているように見えた。



吹き飛ばされていたバルカンがゆっくりと身体を起こす……


「……お前、キライだ……お前、倒す!!」

シロに狙いを定め……走り出すバルカン。

だが、突進してくるバルカンをただ見つめ、微動だにしないシロ……

「っ! やめて!! シロ、逃げてっ!!」

思わず声を上げるルーシィ……





「……大丈夫……シロは……分かってる」



だってーーー




「サーーールーーーーーーーっ!!!!」



「……ナツが来るって」

「っ! ナツっ!!!!」

叫び声と共に登場したナツ。

「シロを返せー!!! ついでにルーシィも!
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