3話 ハコベ山にて
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
えついたルーシィ……すると、腰にかけてあった鍵から一つを手に取ると……
「開け、時計座の扉 ホロロギウム!!」
魔法を発動。煙が舞い上がった後に出てきたのは大きな時計とその中に入っているルーシィだった。
「時計だー!!」
「……時計」
「……何やってんだ、お前」
時計の中にいるルーシィを呆れ顔で見るナツ。
ルーシィは時計の中でパクパクと口を動かしているが外には聞こえず……
「いや聞こえねーよ」
「“あたしここにいる”と、申しております」
ルーシィの入っている時計が代弁を始める。
「いや何しに来たんだよ」
ナツのつっこみを聞き、ルーシィはマカオは何をしに来たのだろうと考えてみた。
「“マカオさんはこんな山奥に何しに来たの?”と、申しております」
「知らないの……?」
「知らないでついてきたのかよ? 凶悪バルカンの討伐だ」
ナツの告げたその仕事内容に……ルーシィは一瞬で顔を青ざめる。
「“あたし、もう帰りたい”と、申しております」
「はいどうぞと申しております」
相手に疲れたのか、ナツはルーシィを置いてズカズカと先に行ってしまい、ハッピーもその後をついていったため、ルーシィのところにはシロだけが残っていた。
会話がなくなり、静寂が流れる……。
(……き、気まずい)
「“ねぇ、シロ? 良かったらシロも入らない?”と、申しております」
時計から聞こえた声にそちらを見るシロ。
「……いい、これで充分だから……」
だがシロはそう言うとナツの貸してくれた毛布に顔を埋める。
その姿はまさに小動物……思わず女性のルーシィも可愛いと、見惚れてしまい……
(……はっ! 一瞬気が飛んでた! それにしても、シロ……可愛い)
顔を埋めるシロを見つめ、ほんわかと暖かい空気が流れ始めた時……
ズシィーーーーン!!!
地面が大きく揺れ、ルーシィとシロの目の前に雪煙が舞う。
「な、なにっ!?」
「……これは」
煙が晴れ、シロたちの目の前に立っていたのは……
「うほっ!! 人間の女だ! しかも二人……うほほっ!」
「……バルカン」
凶悪モンスター、マカオの仕事内容のターゲットであったバルカンだった。
「ひぃいいっ!?」
思わず悲鳴をあげるルーシィ……
「お前、喋れんのか……っ!」
言葉を発するバルカンとやる気満々なナツ……だが
「“てか助けなさいよー!!! ”と、申しております」
「にゅぅ……?」
バルカンはナツとハッピーに目もくれず、左にシロを、右にルーシィの入ったホロロギウムを抱え、去ってしまう
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ