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FAIRYTAIL 心を失くした少女
3話 ハコベ山にて
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乱闘をしているのにギルドメンバーたちの表情には、笑みが浮かび、どこか楽しそうであった……。

その光景を静かに見つめていた女の子の隣にふっと、影が指しそちらを振り向くとそこには目を輝かせながら女の子を見つめる、ナツがいた。


「へへ! どーだ? 楽しいとこだろ? ギルドってのは!」


女の子はナツを見つめてから乱闘が続く目の前の光景を見つめる……そして


「……楽しい……分からない、でも……ひかってる」

そう、ぽつりぽつりと、ゆっくり呟いた。


女の子の返事にナツは満足したように笑みを深め、頷くと……


「じゃあ、まずはお前の名前な!! 名前が無いのは不便だかんなぁ……」

そういい、うーんと少し考え込むナツ……


「よしっ! お前髪真っ白だろ! だから、お前はシロだ! 綺麗なシロ!! どーだ?」

白くなびく、髪に触れながらそう言ったナツ。

その手をじっと見つめ、女の子……シロはふいに、こくっと小さく頷き


「うん……シロ……私は、シロ……」

満足したようにそう呟いた。


「あぁ! シロ……俺はナツ!! ナツ・ドラグニルだ! よろしくな!!」


ナツも改めて自己紹介をし……すっとシロに手を差し出し、シロは少しの間その手を見つめていたが……

ゆっくりと自身の手を動かし、ナツの手に触れた。

「……よろしく」




ーーーーー




「じゃあ……シロの名前はナツが?」

ミラの語り手を聞き終わったルーシィは、首を傾げながら気になったところを聞き返していた。

「えぇ、安易な感じだけど……記憶も感情も無かったあの子には、覚えやすい名前でもあったのかしらね」

ふふふと微笑むミラは作業を止めていた手をゆっくりと動かし始める。


「ナツがシロに名前を与えたのが影響かは分からないけどね……それ以降、基本シロはナツの隣にいるのよ」

「へぇ……」

「それにね、ルーシィ……あの子は、確かにまだ記憶も感情も……戻ってはいないけど……それでも、少しずつ……感情が芽生え始めていると、私は思うの」


「え……」


微笑むミラ……彼女を見つめ、首を傾げるルーシィにミラはギルドの扉を見やい……


「気になるのなら……行ってみたら? きっと、何かを得られると思うわよ?」

と、呟いた。




〜回想終了〜




「ぅぷ……ま、だ……か?」

「まだ……」

「ナツそれもうずっと言ってるよー?」

「……(何かを得られる……それって)」
目の前で広がる呑気な会話を聞きながら、ルーシィはミラの告げた最後の一言を思い返す。


すると……


ガタン
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