3話 ハコベ山にて
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表のない……真っ直ぐな言葉を発したナツにマカロフはもちろん、エルザやギルドの大人たちも笑みを浮かべ、見守っていた。
「……私……いい、の? 家族……私、も?」
首を傾げながら、目の前のナツに問い返す女の子。
そこに……
「たりめーだ! おいナツ!! てめぇだけカッコつけて何先走ってんだよ! 俺だってまだ話してねぇのに抜け駆けすんなクソ炎が!」
パンツ一丁の男の子、グレイがそう文句をたれながら、ナツへとガンを飛ばしながらも女の子に声を掛けた。
「んだとっ!? 遅れるてめぇが悪ぃんだろこのクソ氷!!」
「あぁ!? やるか!?」
「やってやらァ!!」
一触即発……喧嘩が始まるか……と、思われた時……
「やめんかっ!!」
ゴチィーーーンッ!!!
「「ぎゃぁああああああああああああ!!!」」
エルザの鉄拳が二人の頭に落ちた。
「まったく! 喧嘩をしている場合ではないだろう……はぁ、すまなかったな」
エルザは深いため息をつきながら、伏せる二人を超え、再び女の子と向かい合った。
「では……改めて……私はエルザだ、今日からよろしくな」
先ほど同様、自己紹介をし、手を差し伸べたエルザ。
女の子も先ほどと変わらず、手を見つめるだけであった……が
「あーもう! じれってぇな! いーかお前! こーいう時はな!」
見つめるだけの女の子に痺れを切らしたミラが女の子の手を取り、握った。
「黙って、こう! 握手すりゃあいーんだよ、分かったか?」
「……あく、しゅ……これが?」
手を握られているのを見つめながら、ミラに問いかける女の子。
「おう! そーさ! あたしはミラだ! よろしくな!!」
「ちょっと待てミラ、なぜ貴様が先に握手をしているんだ? 差し出していたのは私だぞ」
自身よりも先に手を握ったミラに不満を感じたのか、文句を呟くエルザ。
だが……、ミラはしてやったと言った様子でふんっとエルザを、鼻で笑うと……
「へっ! お前はちんたらしてっから、あたしに越されんだろ? 文句言われる筋合いはねぇな!」
「なんっ、貴様ァ! そこになおれぇ!」
「お!? やるかァ!!」
「今日こそ……!」
「「決着着けてやるー!!!」」
ドンガラガシャーン!! と、派手に喧嘩を始めたミラとエルザ……
周りの大人たちは止めようとするがその激しさに飛び交うものから避けることしか出来ない様子であった……。
そして、次第に二人の喧嘩はギルド全体を巻き込み、誰もが混じり合う、乱闘が開催された。
(この時マカロフは壊れゆくギルドを見つめ、涙を流していたそうだ……哀れマカロフ)
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