3話 ハコベ山にて
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馬車に揺られ、30分ほど……
「うっぷ……まだ、つかねぇ……の、か?」
「まだ……」
「あいー」
「もぉ……ほんとあんたって乗り物ダメなのねぇ……」
馬車に乗り込み数秒で乗り物酔いを起こし、伏せるナツの隣で馬車に乗る前に買っておいたお菓子を食べるシロ……ナツの心配はしていない様子。
同じく、ナツの心配をせず魚をくわえてるハッピー。そして、相変わらずの乗り物酔いっぷりのナツに苦笑を浮かべるルーシィ。
ナツの呻き声が静かに響く中、ふとルーシィはギルドを出る前の事を思い返していた……
ギルドを出る前……ルーシィが、ミラから聞いた話とは……
〜回想〜
「……そうね、いずれ知ることだし……先に知っておいた方がルーシィにもいいかも知れないわね」
「え……?」
ミラは苦笑を浮かべながらルーシィを見やう。
「ルーシィ……シロのこと、貴女はどう感じた……?」
「へ? え、と……」
ミラからの問いかけ……それはシロについての印象だった。
ルーシィはハルジオン港での出会いから今までのことを思い返す。
「どう……て、ちょっと変わった子な感じだな……と……あ、あまり笑わないと言うか……無表情が多く感じました……(というか、出会ってから1度も笑顔見たことがない……? ……え、あたしまさか嫌われてる!?)」
内心、笑顔を見たことがないことに今更気づき、ドキドキするルーシィであったが……ミラはふぅと一つ、溜息をつきそして……口を開く。
「そう……そうね……シロ……あの子は、笑わない……」
「……え」
「いいえ……あの子は……全ての感情が欠落し失くなっているの……そして、記憶も……
あの子には……シロは、このギルドに来るまでの記憶が無いのよ」
「っ!! ミラさん……それって……」
ミラの言葉に目を見開き、ミラを見つめるルーシィ。
ミラは俯きながら、ぽつりぽつりと語り出す。
「昔……5年くらい前かしら……マスターが、雨の降る中、あの子をギルドへ連れてきたの……」
ーーーーー
「マスター! そいつは……?」
「子供……ですか? マスター」
5年前……、雨の降る中一人の女の子を連れ帰ってきたマスターマカロフにその時いたメンバーは興味深そうに近づいた。
一気に囲まれ、マカロフの後ろに少し下がり隠れてしまう女の子……
「おぉおぉ、これこれそんないっぺんに近づくな」
マカロフの静止で少し距離を置き離れたメンバーたち。
そこでようやっとマカロフは女の子を振り返りながらメンバーに紹介を始めた。
「出先でのぉ、雨の降
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