ペルソナ3
1797話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
夜、午後11時50分くらい。
日付が変わるまで……つまり、影時間がやってくるまでもう10分くらいというところで、荒垣がやって来た。
「邪魔するぜ。……ほら、これは差し入れだ」
2月の冬という時季だけに、吐く息は白い。
それこそ、下手をすれば雪が降ってきてもおかしくないだろう気温。
だが、そんな中で荒垣が俺に渡したコンビニの袋の中には、何故か冷たいスポーツ飲料が入っている。
いやまぁ、俺はどっちでも構わないから、それでいいけどな。
「悪いな、ありがたく貰っておくよ。影時間が始まるまでは部屋で待っててくれ」
「おう」
幸い、部屋の中は電気ストーブで寒くはない。
それどころか、4畳程度の部屋という事もあって、暖かくなるのに時間は掛からなかった。
……古い分、電気ストーブを消せば寒くなるのも早いんだが。
ともあれ、俺の場合は混沌精霊なのでこの程度の寒さは全く関係ないんだが、荒垣の場合はそうもいかない。
いや、荒垣の場合は寧ろこの程度の寒さは何ともなかったりするのか?
ともあれ、テーブルに座った荒垣はTVに視線を向けていた。
そこには、俺が何となく見ていたバラエティ番組が映っている。
久慈川りせとかいう、駆け出しだろうアイドルが妙に印象に残っていた。
「お前も、こういう番組を見るんだな」
「暇潰しにはちょうどいいしな」
荒垣にそう言葉を返してから、改めてその姿を見る。
ゆかりにペルソナ使いとしてのアドバイスはするが、戦闘はしないという意思表示なのだろう。特に武器の類を持っている様子はない。
そんな荒垣を見て……ふと、思い出す。
本来なら、真っ先に聞かなければ事を。
ゆかりのペルソナの件で集中していて、それどころではなかったのだ。
「荒垣、タルタロスに死神みたいな外見のシャドウが出るのは知ってるか? 1m近い銃身を持つ拳銃を両手に持ってるような」
「……は? 何の冗談だ、それは」
荒垣にしては珍しく、目を見開いている姿。
演技でも何でもなく、あの死神については知らないらしい。
「実は昨日、タルタロスでそういうシャドウに遭遇したんだよ。相当に強力なシャドウがな。それこそ、ゲームならラスボスとか隠しボスとか、そんな感じでもおかしくないだけの強さを持つシャドウだ」
「……いや、俺はそんなシャドウは知らねえな。それに、前にも言ったと思うが、俺が桐条グループに……いや、桐条に協力していた時は、タルタロスの攻略は殆ど出来ていなかった。それでも2階、3階くらいは進んだが……そんな中で、死神のようなシャドウと遭遇したといった記憶はねえな」
「そうか」
あの死神に対して何の情報も得られなかった事を残念に思いながら溜息を吐くと、ちょうどそのタイミ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ