暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第100話 救出
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、ランスにとっ捕まる。

「何するのよ!! 早く行かないと……!」
「馬鹿者が。単独で先行するんじゃない。へっぽこ1人でどうにかなる様なヤツは この城には少ないんだろうが」

 ランスにしてはまともな意見を……と一瞬だけ冷静になりかけた かなみだったのだが。

「それに、格好良く一番乗りして、助ける役はオレ様だ!」
 
 直ぐに頭の中で撤回した。

「そんなのいいから、早くしろ!」
「当然だ。行くぞー! シィルもついてこい!」
「はいっ ランス様!!」

 一行は声のした方を目指し、駆け出した。


 そして、暫くして――――。


「ぜぇぜぇ…… 無駄に広すぎるぞ、この牢獄は! リアの趣味か!?」
「違うわよ。昔からずっと続いているって聞いてるわ」
「ふん。あのサディスト具合だと怪しいだろうが。それにシィル!」
「ひんっ!」

 ランスはぽかっ! シィルの頭を殴った。

「何度も何度も警報機を踏むんじゃない! お仕置きしてやる!」
「ひんひん……。ぅぅぅ ごめんなさい……」
「何言ってんのよ。踏んだの全部ランスじゃない」
「やかましい! 奴隷はご主人様の身代わりになるものなのだ! つまりは、シィルが全部悪い!」
「無茶苦茶言ってんじゃないわよっ!」
「あ、か、かなみさんもどうか落ち着いて…… わ、私は大丈夫ですから」

 シィルは、何処となくかなみも志津香の様に強気な強烈ツッコミをランスに入れそうで、色んな意味で長くなりそうだし、怖い(自分が叩かれそう)から事前にとめたのだった。

 暫くは、少なからずランスとかなみの言い合いも続くのだが、ここで違和感を覚えた。それは敵兵の少なさにだった。最初こそ 警報が鳴ったら直ぐに出てきていたヘルマン軍だったのだが、今はもう気配すらない。倒しきったのか? とも思えるがそれにしては数が少なすぎる。リアを監禁している以上それなりの戦線を組んでいてもおかしくないと言うのに。
 そんな時、角を曲がった所で漸く人影に遭遇した。

「むっ! 見張りか!」 
 
 ランスは咄嗟に剣を構えるが、その人影は反応が全くなかった。

「あ、あれ? ランス様、その人…… なんだか青くないですか?」
「む? ん? んんん??」

 改めて眼を凝らして見てみると、青い彫像だった。ヘルマン軍に似ている彫像……と言うより、殆どヘルマン軍そのものと言っていい。何処まで精密に作ればここまでになるのか判らない程の精巧さだ。

「なんだこりゃ?」
「…………これは、死体だわ。ホッホ峡でこんな風に結晶化する魔法の被害者が出たって話が……」
「はぁ? そんなのあったのか?」
「はい。ありました。志津香さんが珍しい魔法だ、って……。確か藍色、破壊光線……だと」

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