第3章 リーザス陥落
第100話 救出
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い出す。
トーマとユーリの2人が合流を果たしていた事を。
普通であればトーマは 敬意を払う相手、好敵手であるとは言えど ヘルマン側。つまりは敵兵だ。それもトーマはヘルマン軍の象徴とも言って良い存在であり、国に忠を尽くす彼が敵側に寝返る様な真似は天変地異が起きても有り得ないとバレスは思っていたが……、現状は予想だにしない方向へといっていた。
確かに トーマははっきりと『寝返る』や『こちら側に着く』と言ったりはしなかった。あくまでパットン皇子を魔人の手から守る為に剣を取ると言う理由だった。元々魔人を連れてきたのはパットンだから、矛盾している発言だと言えるが、内情はそう単純じゃないのだろう。
何よりも、トーマが魔人を使うとはどうしても思えなかったから。
そして、結果を見れば ユーリと共にリーザス城へと向かっていった。
強大な戦力を歓迎、とも言えるかもしれない。魔人と言う巨凶がいる以上尚更だ。……リーザス側とすれば、ただで通す訳にはいかない、と言うのが筋かもしれないと言う想いはある。リーザスと言う祖国を踏みにじられ、守るべき者をも踏みにじられたのだから。
だが、それでも私情は押し殺さなければならない。
何度も言う様に 今は普通の戦争じゃない。人魔戦争とも言える戦いへと移行する可能性が高いのだから。
「……魔人」
ハウレーンは リーザス城の方を見た。
あの時 ハウレーンは確かに見た。そしてその身に感じたんだ。
魔人と言う者の力をその身に。
あの様な人外が複数いるリーザス城。何度も見ている筈の城がまるで魔物の城の様に感じてしまう。……見えてしまうのだ。
「ハウレーンさん。私達は私達が出来る事を全力でする事。……それがきっと勝利への近道だと私は信じてます」
「メルフェイス……」
「そーだおーっ! ハウ姉は難しく考えないで、ユーリを信じれば良いだけだおーっ!」
「っ……そう、ですね。はい」
紫軍のトップの2人が諭す様に言った。
中でも一番年下であるアスカは 心に正直にストレートに話していた。
そう、こちら側が魔人の襲撃を防いだのも事実だ。それは偉大な剣士がいてくれたから……。軍が手も足も出なかった魔人サテラ。奪われた仲間を奪還した。そして複数の使途を引き連れた魔人アイゼルを退けた。
『皆の力だ』と幾ら彼が謙虚で否定をしていても 全ては アイスの町の偉大な冒険者の所業だとハウレーンは強く想っていた。
『がーーっはっはっは!』
と笑う男については当然のことながら意識の外へとシャットアウトするが。
「はぁ……(どうしてこうも極端なのか……。それに リア様も何故 あのような……)」
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