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俺の涼風 ぼくと涼風
16. ちょっと行ってきます
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んは笑顔で……摩耶姉ちゃんは呆れ顔で出迎えていた。

 私はゆきおと一緒に朝ごはんが乗ったお盆を鳳翔さんから受け取り、二人で摩耶姉ちゃんと榛名姉ちゃんが待つテーブルへと向かう。

「榛名姉ちゃんおはよー!!」
「榛名さんおはよ! ケホッ……」
「おはようございます! 今日もお二人は仲良しですね!」
「「えへへー」」

 私たちが席に着くなり、榛名姉ちゃんは満面の笑顔で私たちに挨拶してくれる。仲直りしたあの日から、榛名姉ちゃんは以前のように、私たちにとても優しい、仲直りが出来て本当に良かったと思える瞬間だ。

「ったく……いつか提督、ストレスでハゲんぞ?」
「いいんだ。ケホッ……父さんは甘えん坊父さんなんだからっ」
「つーかよぉ雪緒。お前、あのエクストリーム歯ぎしりの中でよく寝られるな」
「いや、別に……うるさいって思ったこと、無いけど……」
「そ、そっか……」
「?」

 摩耶姉ちゃんは、今日も呆れ顔で私たちを迎えてくれる。確かに顔は呆れているけれど、その目はどこかうれしそうだ。

 二人への挨拶もそこそこに、私とゆきおは朝ごはんを食べるため、二人で声を合わせて『いただきます!!』と宣言し、お味噌汁に手を伸ばした。今日の朝ごはんの献立は、豆腐とわかめのお味噌汁にだし巻き卵。そしてきゅうりの浅漬と銀だらの西京焼き。

 お味噌汁を口にして、まだ眠っている胃袋を起こした後は、美味しそうにふっくらと焼けた西京焼きに箸を伸ばす。焦げた部分が香ばしくて身はふっくら。西京味噌の味がご飯によく合う逸品で、食べれば食べるほどお腹が空いてくる不思議なメニューだ。

「んふー……ゆきおー……」
「んー……なにー?」
「西京焼きとご飯も……んふー……名コンビだよなー……」
「だよねー……僕らと同じで、二人で一人だよねー……」
「「んふー……」」
「お前ら……」
「お二人、顔そっくりです……」

 呆れる摩耶姉ちゃんと榛名姉ちゃんをよそに、私たちは引き続き西京焼きその他諸々に舌鼓を打ち続けた。

 魅惑の西京漬けとだし巻き卵の朝ごはんを堪能したあと、私たち4人は熱いお茶をすすってホッと一息ついていた。ゆきおの湯呑を覗くと、すでにお茶は空っぽになっている。私はゆきおの湯呑を奪い去り、急須を取ってお茶を注いであげた。『ありがと』とお礼を言ったゆきおはそのままお茶をすすり、その瞬間に顔をしかめる。

「……すずかぜ、苦い」
「そか?」
「うん。涼風が淹れてくれるお茶、いつもこゆい。けふっ……」
「あたいはこれぐらいこゆい方がいいけどなぁー……」

 とはいいながらも飲んでくれる辺り、嫌いというほどでもないようだ。いつも飲んでるあの苦い粉薬のせいで、苦い味に耐性がついているのかもしれないなと、軽くせきこんでい
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