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KANON 終わらない悪夢
60世間の常識回路
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風の男装をして自分を家から盗み出してくれたりすると「抱いて、もうお姉さましか見えない」状態で、あの腕で抱きしめられてキス以外にも色々されてしまったので、すっかり「快楽堕ち」していた。
(ど、どうにかして、この寸劇にも舞お姉様を…)
 自分がヒロイン役、舞お姉さまが先輩で自分を救い出して盗み出してくれる男性。そう考えただけで「そんな大きな黒船入稿したら、浦賀港壊れちゃうよ(///)カアアッ」の武士みたいになっていた気の毒な子。
 案外祐一に快楽堕ちさせられた方が、あれこれ考えずに済むかもしれない。

「え〜と、今度PTA主催で新入生歓迎パーテーと舞踏会も行われる。その前の舞台で、演劇部も劇をする時間が与えられた」
 本来なら新入生勧誘の絶好の機会で喜ぶべきなのだが、私生活の方で色々起こりまくり、舞お姉様に連れられユリクマ会にも参加。「ボクの妹なのだ」と紹介されてしまって、自分目当てに入部してきた後輩にも合わせる顔がない。
 いままでは告白されても「私ノンケだから」と断れたのに、人前で舞お姉さまにチューまでされてしまい卒倒寸前。後輩からも攻略可能対象のレズ(それもバリウケねこさん)と広まってしまった。
「今回、どんな演目ですか?」
「え? うん、去年文化祭でやったのを再演しても良かったんだけど、悲恋物だから却下された。こんな脚本も受け取ったんだけど…」
 表紙に(作:天野美汐)などと書かれている脚本を出すと、天野家関係者が多い演劇部では即採用されてしまった。
 今朝からの美汐プレデターさんを見ていると、怖すぎて断れないとも言う。

「ああ、奇跡の恋ですか、今年の文化祭の演目にしようと思ってたんですけど、お嬢さんが書いたこれを見たら」
 舞台劇としても充実していて、登場人物も増やせて、薄い中東風の衣装に着替えるだけで現実から離れて劇に引き込めて、衣装制作部隊も満足する。
 もし栞役と相沢役だけの二人恋愛劇、それとも香里だけの一人芝居。それも現代劇なので衣装不要、学生服でそのまま演じてしまうので「本人にやってもらえば良かったのに」などと一般人や教師にもツッコミを入れられて、舞台で張り上げる声とか芝居が日常生活とどこまで違うかを理解してない人物にあれこれ言われ、衣装背景係にも不評、出演者少なすぎの問題もあったが、その辺の事情を知っていると思われる美汐に配慮されてしまった。
「やっぱり主役は部長ですよね〜〜、男装してもらって剣劇とか、格好良くヒロインを盗み出して、女の子一人抱えてロープで隣の建物(セット)にまで飛んで、追い詰められた所では演説して、こんな長台詞全部覚え込んで、追跡者を従わせる役とか、部長以外無理ですよね〜〜」
「え?」
 舞お姉さまにお願いしようと思っていたが、部外者になど部員が出演させないし、ましてや主役。
 役を
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