ペルソナ3
1796話
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手に入れてあるのならともかく、現状ではその戸籍すらないのだ。
桐条グループのような力を持った集団がその辺りを調べれば、間違いなく俺の存在に違和感を持たれるだろう。
また、タルタロスには殆ど挑んだ事がないとは言っても、ペルソナ使いとして影時間に関わってきた長さは、俺やゆかりとは比べものにならない程に長い。
そして経験というのは、時には何よりも重要な代物だ。
そんな訳で、出来れば知恵袋的な存在として荒垣をこちらの仲間に引き込みたいと考えるのは、決して間違っている訳ではない。
「……」
そのまま数秒の沈黙が流れ……
「ちっ、しょうがねえな。ただし、俺はあくまでもアドバイスをするだけだぞ。決してペルソナを使って戦ったりはしねえからな。いいな?」
念を押すように告げてくる荒垣だったが、恐らくそれが荒垣にとっても最大限の譲歩なのだろう。
荒垣のペルソナがどのような能力で、何故そこまで徹底してペルソナを使うのを拒絶するのか。その辺りの事情は気になるが、ともあれゆかりにアドバイスをしてくれるというのであれば、こっちとしては願ってもない。
「悪いな、助かる」
「ありがとうございます、荒垣さん」
俺が感謝の言葉を述べると同時に、ゆかりもまた頭を下げる。
俺よりもゆかりの方が真剣な様子なのは、やはりゆかりがペルソナ使いだからこそだろう。
イオだったか。
あのペルソナを使いこなせるようになれば、それはかなりの戦力になるのは間違いないのだから。
「……ふん」
だが、ゆかりに頭を下げられたのが照れくさかったのか、荒垣は視線を逸らして鼻を鳴らす。
「それで、出来れば俺達の件は桐条グループとかには知らせないで欲しい。頼めるか?」
「それは構わないが……だが、遅かれ早かれ、桐条達には気が付かれると思うぞ? 向こうは高い情報収集能力を持っているからな。というか、影時間にお前達がタルタロスに挑んでいるのが、まだ見つかっていない方が不思議だ」
「何でだ? 向こうは結局のところ2人なんだろ? その2人が動き回っていても、俺達と遭遇する確率はかなり低いと思うが。特に、向こうがタルタロスに潜っていない状況では、尚更な」
「影時間の中では、基本的に機械が動かないというのは理解してるな?」
荒垣の言葉に、俺とゆかりは揃って頷く。
当然だろう。影時間になれば、信号の類を含めて全ての機械が止まるのだ。
それに携帯の類も使えなくなっているのは、経験済みだった。
「そんな中、桐条グループの人間だけが影時間の中でも機械を使える。黄昏の羽根……とかいう希少物質を組み込む事によってな。桐条の奴は、それを組み込んだバイクとか持っていた筈だ」
「……バイク? 確か、その桐条ってのは桐条美鶴で、桐条グル
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