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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十三話 少女たちの挑戦
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 ジュエルシードが発生させた竜巻近くに向かって飛行する。

 大粒で大量の雨が全身に降りかかる中、私はレイジングハートを通して聞こえる黒鐘君の指示に耳を傾ける。

《ユーノ達と合流するまでは無理な接近を避け、相手の攻撃をよく観察してレイジングハートに記録させるんだ》

 早口だけど落ち着いた声は、これから戦うことに緊張していた私の心を落ち着かせてくれる。

 安心感と頼もしさを感じながら、私は竜巻に向かう途中で停止する。

 それは黒鐘君が私に教えてくれた、砲撃手の戦い方に従ってのこと。

 少し離れた位置で待機して、全体の状況を見極める。

 離れた位置から戦える砲撃手は、その特徴を活かして離れた位置から状況を観察して、一緒に戦ってくれる人たちに情報を与える、作戦参謀みたいな役割を与えられることが多いらしい。

 今、金髪の女の子たちが必死に戦ってるけど、あの中に私と同じ遠距離で戦える人はいない。

 なら、あの子たちの手助けになる情報を、離れた位置で私が……ううん、私たちが手に入れる必要がある。

 そしてあの子たちが危ない状況だったら助ける。

 それができる距離で停止した。

《よし。 なら現在地からフェイトたちの援護だ。 魔法のチョイスはなのはとレイジングハートに任せる》

「うん!」・《お任せ下さい!》

 私はレイジングハートと一緒に頷いて、両手で杖になったレイジングハートをしっかりと握り締めた。

 右手で杖の後ろの方を握り、左手は前にあるトリガーを握り締めて、右向きの体制になる。

 全身を巡る魔力を意識しながら、レイジングハートと一緒に使用する魔法を発動させる。

 桜色をした円形の魔法陣が、私の足元を中心に広がっていく。

 レイジングハートの先を囲うように複数の小さな魔法陣が浮かび上がり、その先で桜色の魔力光が球体の形で膨らんで、

「ディバイン・バスター!」

 発動と同時に球体は狙った先に向かって、真っ直ぐなレーザーとなって放たれた。

 放たれた砲撃は金髪の女の子の近くにいる竜巻に向かっていって、直撃する。

 竜巻にぶつかった瞬間、レイジングハートに強い衝撃と熱が襲いかかってきた。

 レイジングハートを通して伝わってくる痛みと熱は、全身に広がっていく。

 黒鐘君と同じこの魔法……ディバイン・バスターを放つと、いつも必ずこの痛みと熱が襲ってくる。

 最初は耐え切れなくて、この魔法を使うこと避けていたけど、黒鐘君や雪鳴さん、柚那ちゃんにユーノ君。

 皆の戦う姿を見て、自分にできることを考えたら、逃げずに立ち向かおうと思った。

 この魔法は、私が最初に挑戦した魔法。

 だけどそれは竜巻を破壊するには足りなくて、
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