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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十三話 少女たちの挑戦
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そう思ってしまうほどに、フェイトは母の願いだけの道を選べなくなっていた。
「私は――――」
それでも選んだ道を答えようとした――――その時。
《次元干渉!! 別次元から本艦および戦闘区域に向けて、魔力攻撃きますっ!》
レイジングハートから響く、アースラにいるエイミィの通信連絡。
突如緊張感が走る中、上空の雲が再び一つになり、紫色の雷を発していた。
「そんな……母さん……」
「え……お母さん……?」
《みんな、そこから逃げて!!》
フェイトの言葉に疑問を抱く間もなく、なのはたちはその場から離れようとする。
しかしそれよりも速く、上空から紫色の巨大な雷が落下し、なのはとフェイトに迫ってきた。
「きゃ――――!?」
「っ――――!?」
突然の襲撃。
戦闘による疲労。
戦闘終了の安堵による油断。
万全の状態ならば回避や防御が可能だったであろう二人は、様々な理由からその場で立ち尽くしてしまった。
そして迫る紫色の雷を見て、双方は様々な心情を抱いた。
高町 なのはは手を伸ばした。
救いになればと願った手。
自分自身にとっても救いになると思って伸ばした手。
それを、突然遮られたことに怒りを覚える。
だけど何より、そんな怒りすらどうにもできない自分の心の弱さと、この雷を防ぐこともできない自分の弱さに対しての憤りすら湧いていた。
結局自分は、ヒーローみたいなことはできないのだろうか?
優しいことをしたい。
誰かのために必死になってみたい。
この手の魔法で、誰かを守りたい。
そんな思いを、たった一撃の雷によって消されようとしている。
(黒鐘君なら、もっと上手くやれるのかな……)
走馬灯のように脳裏に浮かぶのは、大切な家族や友達よりも先に、天龍 黒鐘の姿だった。
この場にいれば、きっと雷だって切り裂いて見せただろう。
または彼女たちを連れて逃げることだってできただろう。
彼ならば、なんでもできただろう。
自分には、それができない。
そんな自分が、本当に彼女に手を伸ばしてもよかったのだろうか?
怒り、憤り、後悔、絶望。
様々な負の感情が視界を真っ黒に染めていく。
対してフェイトは、迫る紫色の雷を前に絶望していた。
その攻撃が誰によるものなのか、彼女が一番よく知っているからだ。
(母さん……)
フェイトの母による魔法攻撃。
自分の目の前にいる白いバリアジャケットをまとった少女を狙っていたのだろう。
だけど近くに自分がいて、ならば役に立たなかったフェイトも含めて…
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