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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十三話 少女たちの挑戦
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んだよね》

 黒鐘君の苦笑混じりの言葉に、柚那ちゃんは納得いった表情、雪鳴さんが不満そうに眉にシワを寄せていた。

《だから柚那。 お前なら分かるんじゃないか? 俺がなんで、柚那を選んだのか。 俺がなんで、他の誰でもなく、柚那を頼るのか》

「それは……」

 柚那ちゃんは言葉を失って、だれど何かに気づいている様子で、それを受け入れるべきか悩んでいるように見える。

 きっとそれが、柚那ちゃんに欠けている自信なんだと思う。

《自分にできないことが人一倍理解できる柚那だから。 みんなにできることを人一倍理解できる柚那だから、俺は柚那に指揮を任せたい》

「お兄ちゃん……」

 柚那ちゃんの顔が上がった。

 その表情は少しだけスッキリしていて、光を得たように見える。

《柚那っ!!》

「は、はいっ!」

 強い呼気に釣られて声を上げて返事をする。

 突然のことに私達も背筋を伸ばすと、

《頑張れっ! 柚那なら、大丈夫だっ!》

 自信の篭った、自信満々の応援が柚那ちゃんに向けて届けられた。

「……はははっ」

 対して柚那ちゃんから漏れたのは、小さな笑い声だった。

 肩を小さく震わせて、だけど嬉しそうに笑っていた。

 何かが吹っ切れたような表情に、私達も自然と笑みがこぼれた。

「……はい。 アタシ、頑張ってみます!」

《ああっ!》
 
 柚那ちゃんは自信の篭った言葉を黒鐘君にかけ、黒鐘君は嬉しそうな返事をした。

 ああ、黒鐘君は本当に凄いなと思った。

 あの人は、こうして誰かに勇気と自信を与えられる、言葉の力を持っている。

 私にはないそれは、凄く羨ましいものに感じた。

「さぁ! それではアタシがこの戦いの指揮をとります。 お姉ちゃんとフェイトさんを前衛に。 なのはさん、ユーノさんは後衛で二人の支援を。 アタシはフェイトさんの使い魔の方と連携して中衛から指示とサポートをします」

「うん!」

「了解」

「分かった!」

《みんな、頼んだ!》

 柚那ちゃんに指示に頷き返し、私たちはそれぞれの位置に移動を開始した。

 こうして始まるのは、私達の挑戦。


*****


 改めて、戦いが始まった。

「フェイト、手伝う」

「っ!?」

 雪鳴はフェイトの隣に立ち、迫る竜巻からの攻撃を切り払っていく。

「なのはから聞いた。 今は、一時共同戦線」

「そう……だけど……」

 そう言われて味方だと簡単に割り切るのも難しく、フェイトはまだ納得がいってない表情をしていた。

 対して雪鳴は淡々と、いつも通りの様子で正面の敵を見据える。

「色んな考えがある。 けど、
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